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【万博】2002.07.09-07.15の動き

●愛知万博の主会場となる愛知青少年公園を、万博後に新たな都市公園として再整備する準備を進めている県は9日から23日まで、計画案の縦覧を県公園緑地課と長久手町都市計画課で始めた。

●愛知万博で計画されているゴンドラに周辺住民が反発している問題で、愛知県瀬戸市上之山町3丁目町内会(79世帯)は9日、「プライバシーが長期にわたり侵害される」などとして、計画の白紙撤回を求める抗議・要望書を神田真秋県知事に提出した。

●6月定例県議会の議会運営委員会が9日開かれ、寺西学議長が愛知万博の参加招致活動などのため、9月中にイギリス、フランスなどを訪問するほか、7月中に欧州とアジアに、議員による海外調査団を派遣することが報告された。
寺西議長は9月6日から14日まで、ハンガリーとイギリスで愛・地球博への参加招致活動を行うほか、フランスでは外国企業誘致のためのトップセールスを展開する。調査団は日高昇議員(自民)を団長とする一行8人が、7月14日から21日まで、ドイツ、オランダ、イギリスで国際園芸博会場などを視察。河村滉議員(自民)を団長とする一行7人が、7月21日から27日まで、タイ、ベトナム、香港で県進出企業の活動状況などを視察する。

●愛知万博の開幕1000日前記念イベントが10日、JR東京駅・八重洲中央口で開かれ、博覧会協会の坂本春生事務総長をはじめ、瀬戸市出身でマスコットキャラクター選定委員を務めた女優瀬戸朝香さん、アルピニストの野口健さんらがPRした。

●県議会国際博推進特別委員会が10日開かれた。神田真秋知事が県内の市町村を回って、ムード盛り上げの先頭に立ってはどうか、と質問に対し「知事は多忙で難しいが、副知事が88市町村を回る予定」と述べ、長谷川信義、森徳夫両副知事が手分けして全市町村を訪れ、愛・地球博への協力を要請するとした。日程の調整はこれからだが、今月中にも開始する。
ゴンドラの通過点にある瀬戸市上之山三丁目町内会が「住居が上からのぞかれる」などと、ゴンドラ計画に反対している問題で、委員が県にプライバシーの保護対策などをただした。県は「プライバシー保護にはゴンドラを運行する高度を低くしたり、樹木で視界をさえぎるなどできる限りの工夫をしたい」と、従来通りの説明を繰り返した。住民が、ルートが将来の名古屋瀬戸道路の建設につながるのでは、と不安を持っていることについては「将来的に決して建設されることがない、とはこの場で言明できない」と述べるにとどまった。
今年8月に南アフリカ・ヨハネスブルクで150を超える国をはじめ、NGO(非政府組織)や自治体などから数万人が集まって開かれる「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(通称ヨハネスブルク・サミット)について、テーマが愛知万博と関係が深いとして、「博覧会協会から参加し、愛・地球博のPRも行う」と述べた。

●愛知県は10日、愛知万博の会場を造成するために愛知青少年公園(同県長久手町)の中央管理棟などを取り壊す工事について、東京都内の大手建設会社など2社と契約を結んだ。万博会場で初めての大規模工事が今月下旬に始まることが確実となり、9月以降は、愛知万博協会が並行して会場の建設工事に着手する見通し。
取り壊されるのは、体育館やホールなどがある中央管理棟(鉄筋平屋一部3階建て、延べ約1万8500平方メートル)と、480人が泊まれる宿泊棟(鉄筋2階一部3階建て延べ約5100平方メートル)など。70年代初めに建設され、今年3月末に運営を停止していた。県児童総合センターや温水プールなどは改装して万博に利用する。入札は2日にあった。中央管理棟は熊谷組(東京都)が約4億3600万円で、宿泊棟は光(名古屋市)が約9300万円(いずれも税込み)で落札。取り壊しに伴う配管や配電工事なども10日に契約した。いずれも11日が着工日だが、実際には今月下旬になる。工期は11月中旬〜12月中旬までで、更地にした後は万博協会が北ゲートや迎賓館などを建設する。 取り壊しで出る約6万6500トンのコンクリート廃材は公園内のグラウンドに一時保管し、舗装材として再利用する。

●中部経済連合会は今月14日から21日まで、フィンランド、デンマーク、オランダへ太田宏次会長を団長とする使節団を派遣する。その名も「愛・地球博参加招請ミッション」。
一方、名古屋商工会議所も9月8日からオーストリア、ドイツ、イタリアへ経済交流使節団を送り込む。団長の磯村巌会頭は、オーストリア名誉領事でもあるため、現地で外務大臣と経済大臣を表敬訪問し、万博への参加を要請する。

●博覧会協会は11日、愛知万博会場内の観客の安全を考える第2回安全対策会議を開き、観客の流れのシミュレーションなどで出席者から意見を聞いた。会議は京都大名誉教授の木下冨雄・甲子園大学長が議長。有識者のほか県警の警備部や地域部、名古屋、瀬戸、豊田市の消防本部などから約20人が参加。
愛知万博の安全対策について、来年3月をめどに、要人警護やテロ対策など、自主警備を骨格とする「会場警備基本計画」をまとめる方針を明らかにした。一度に多数の来場客の集中が予想される4ゲートや、グローバルコモンと呼ばれる公式出展広場などを重点的に、防犯・防災対策を行う。一方、東海地震の防災対策強化地域に、青少年公園会場のある長久手町が指定されたことなどから、地震対策を強化することが盛り込まれる見込み。 このほか、米同時テロや、兵庫県明石市の花火大会で死者を出した雑踏事故も参考にする。

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