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【万博】2002.05.21-05.27の動き

●愛知万博をPRするため県内の全88市町村を自転車で訪れる「愛知県市町村88カ所めぐり」を続けている万博推進の民間団体「EXPOながくて未来会議」メンバーの田崎哲寿(あきひさ)さん(22)が20日、名古屋市役所に鈴木勝久助役を訪ね、激励を受けた。

●愛知万博を成功させるため、国内外の有識者が博覧会協会に提言する国際諮問委員会の初会合が20日、名古屋市内で開かれた。今回のテーマは「今日の世界の万博の役割・批判的分析と建設的提言」と「愛・地球博をプロモートする方策」。「世界の若い世代が興味を持つような企画を打ち出し、関心を高めてもらおう」といったアイデアが相次いだ。諮問委には、博覧会国際事務局(BIE)名誉議長のオーレ・フィリプソン委員長をはじめ、国際交流基金理事長の藤井宏昭氏(元駐英大使)ら自然科学、国際交流、環境問題の専門家ら7人が出席した。
愛知万博をPRする方法について、若者を引きつけることが重要だとの認識で一致した。そのうえで、「世界の民話やおとぎ話は、人間に対する自然からの教訓を含んでいる。それらを基にした催しは、『自然の叡智(えいち)』のテーマにふさわしい」「万博のホームページを英語だけでなく多彩な言語で発信すれば、世界にPRできる」といった具体的なアイデアが出ていた。 フィリプソン委員長は「万博PRのためメディアの協力は大切だ。開催する側は積極的に情報を提供すべきだ」と情報公開の重要性を指摘していた。諮問委員会は今後、年1回開かれる。
また、国際諮問委員会のオーレ・フィリプソン委員長(博覧会国際事務局名誉議長)は21日の名古屋市内での記者会見で、国としては万博に参加しない米国について「国内外のマスコミの力を借りて、諮問委が何らかの形での参加を呼びかけることはできる」と述べた。諮問委として出来る範囲で米国の企業などに参加を働きかける考えを示したもの。
米国は法律で、政府としての万博参加はしないと決めている。しかし、博覧会協会など日本側は、「万博のような国際的行事に大国の参加は不可欠だ」として、州や企業単位での参加を切望している。 フィリプソン委員長は「諮問委の性格上、政府に働きかけることはできない」としながら、「個人的には、大国の参加を望む考えは理解できる。諮問委が、メディアの力を通して万博の魅力を広め、万博に参加しないのは残念だというアピールをすることは可能だろう」と述べた。また、諮問委員のアン・ウィストン・スパーン米マサチューセッツ工科大学教授も「米政府の不参加は個人的に残念です。しかし、万博に関心を持つ民間活動団体(NGO)は多い。彼らの参加の可能性はある」と話し、NGOへの参加の働きかけを考慮すべきだという考えを示した。

●経済産業省の愛知万博環境影響評価会(座長・森島昭夫名古屋大名誉教授)が20日あり、自然系、工学系の両分科会がこれまでの討議結果を報告し、計9項目の主要意見をまとめた。28日の次回会合で、愛知万博協会に提出する経産相意見案をまとめる。意見は自然系、工学系、全体的事項に分類され、自然系では「ハチクマ(タカの一種)は生態が不明なため追跡調査で営巣環境のデータ蓄積を図る」などが報告された。また工学系は「拡声機からの音による影響も評価すべきだ」など。全体的事項では「想定入場者数の設定理由を分かりやすく記述する」などを挙げた。

●名古屋市は22日、今月9日から公募していた愛知万博の市パビリオンの建設、運営管理などを行う事業者について、書類審査の結果、6事業者に絞り込んだと発表した。来月7日までに企画提案書の提出を受け、ヒアリング審査後の同13日、担当事業者を決定する。

●愛知万博の会場計画で、博覧会協会は23日、主会場の愛知青少年公園と、海上会場を結ぶゴンドラ計画の概要を明らかにした。プライバシーに配慮して、当初ルートとして予定していた住宅団地の上空を避けたほか、輸送能力は1時間に2400人とした。
協会では、想定されていたルート直下にある住宅団地の住民が「プライバシーの侵害だ」と反発したことなどから、新たなルートを検討していた。ルートの距離は約2キロで、住宅団地の上を避け、南側に迂回するコースとした。 高さは20−25メートルで検討しており、協会では、この高さなら間にある樹木で視界が遮られ、プライバシーは確保されると説明している。ゴンドラの定員は8人で、70−75台を使う。支柱は15基設置するが、希少な動植物に影響を与えない場所に建てる。着工は来年10月の予定。
ゴンドラ計画はこの日、瀬戸市内で開いた住民説明会で協会が公表した。協会側は期間中の輸送量をゴンドラ150万人、バス30万人と想定。住民から「無料のバスがあるのに、有料のゴンドラを利用する人があるのか」などとゴンドラ建設の必要性をただす声が出たの対し、協会側は「博覧会の魅力を高める上で、ぜひ必要」と理解を求めた。住民からは「このルートでも、会期中、乗客から自宅の中が見えてしまう」などと反対する声が相次ぎ、理解は得られなかった。

●県国際博推進局は24日、キルギスが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。外交ルートを通じて正式表明したのは、これで38か国目となった。

●愛知万博の環境影響評価について、神田真秋知事は24日、29項目の意見を博覧会協会に伝えた。万博会場の建設中や万博期間中にオオタカなど希少動植物の生息に影響が出ないよう配慮を求めている。 協会は、知事意見をはじめ、近く公表される経済産業大臣の意見を参考に環境影響評価書を完成させる。

●愛知万博の開催中止を想定した国と博覧会国際事務局(BIE)の会議録などを「防衛外交情報に当たる」との理由から、非公開としたのは違法だとして、名古屋市民オンブズマン(佐久間信司代表)が24日、経済産業相と外相を相手取り、非開示処分を取り消すよう求める訴えを名古屋地裁に起こした。
愛知万博の「一般規則」では、開催中止の場合、日本側がBIEや参加国へ補償することが義務づけられているが、額の算定基準などは示されていない。このためオンブズマン側は、中止となった場合に博覧会協会や国、自治体に生じる賠償額などを調べようと、昨年12月、博覧会の中止について検討・議論したメモや書類、議論の経過の分かる行政文書を経産相に開示請求。経産相は今年2月、請求文書のうち外務省で作成された文書については外務省で請求するよう移送した。これに対し、「博覧会国際事務局(BIE)との信頼関係を損なう恐れがある」との理由で同月、経済産業省は一部不開示、外務省は全面不開示とした。不開示となったのはBIE事務局長との会談議事録や登録申請書、BIE執行委員会の開催通知・結果概要などで、オンブズマン側は「開示しても信頼関係を害する恐れなどない」としている。

●愛知万博の会場内外のイベントについて考える、博覧会協会の催事総合プロデューサーに、情報誌出版会社「ぴあ」社長で経済同友会幹事の矢内広氏(52)が就任することが、24日決まった。
矢内氏は、中央大学在学中にアルバイト仲間と情報誌「ぴあ」を創刊。84年には、映画や演劇、イベントのチケットをコンピューターで管理して販売する「チケットぴあ」を興した。 協会の坂本春生事務総長によると、新しい事業を企画、運営する才能や、情報誌の編集を通じて培われた幅広い人脈を高く評価して、矢内氏にプロデューサー就任を要請した。
会見した矢内氏は「『自然の叡智(えいち)』という万博のテーマにふさわしい催しを考えたい。世界には自然保護に関心を持つアーティストがたくさんいる。万博に彼らを招き、自然保護と芸術の祭典を開くのもいいのではないか」と抱負を語った。

●愛知万博をPRする日仏シャンソン協会日本支局の無料コンサート「音楽万博」が25日、名古屋市中区金山一の市音楽プラザ1階ロビーで開かれ、訪れた約150人がシャンソンを楽しんだ。名古屋を中心に活動するシャンソン歌手の松本幸枝さん、遠藤伸子さん、浜崎久美子さんの三人と、ピアノ演奏で同支局長の加藤修滋さんが出演。オープニングでは、松本さんが愛知万博のイメージソング「ブラボー!ムッシュ・ルモンド」を熱唱した。音楽万博は2005年の万博開幕まで、「万博PRの日」と定められた毎月25日に開催。

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