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【万博】2002.05.14-05.20の動き

●名古屋市が公募を開始したパビリオン実施事業者の参加要領は、事業者の役割内容が不明瞭で予算規模が明示されていないため、応募業者にためらいが生まれている。関係者からは発注企業が決まっている「出来レース」との声もある。

●民主党の鳩山由紀夫代表は12日、愛知万博の主会場となる愛知青少年公園を初めて視察し、「公園も素晴らしいし、(愛知)県らしく、愛と知恵をテーマにしたことも大きな意義がある」などと感想を語った。
鳩山代表は岡崎、豊川市での街頭演説などに先立ち、佐藤観樹・党県連代表ら党関係者らとともに約30分視察し、博覧会協会の職員から、グローバル・ループや、各国政府が出展するグローバル・コモン(共有地)などの会場計画の説明を受けた。同公園を視察後、鳩山代表は愛知万博の理念を評価するとともに、「いかに環境に配慮した万博にするか、開幕時点での最先端技術をどのように見せるか、今後の3年弱が勝負だ。民主党としても協力したい」と強調した。

●経済産業省は13日、愛知万博に出展する政府施設などの基本計画を明らかにした。愛知青少年公園地区の「日本政府館」(展示面積3600平方メートル)と海上地区の「里山日本館」(同2000平方メートル)は、ともに自然や環境をテーマに取り入れており、全体のキャッチフレーズを「日本を超えて。」に決めた。
日本政府館は「日本の体験、環境といのちの未来」がテーマで、1000−1400平方メートルの3ゾーンに分ける。里山日本館は「人と自然…交感の系譜」と題し、「日本人が自然とのかかわりではぐくんできた生活や文化」を、500−800平方メートルの3ゾーンで展示、「もてなしと癒しの庭」を設ける。 この日開かれた政府参加懇談会で報告され、キャッチフレーズについて「人間社会と自然の新たな関係をつくり上げる日本を目指した」と説明した。また、音階のド(c)からシ(h)までの7音のうち、「earth」(地球)の各文字に該当したり連想されたりする「ミ、ラ、レ、ド、シ」の五音を「キーサウンド」とし、広報活動に使う。懇談会には、総合監督に就任した世界的サックス奏者の渡辺貞夫さんが初出席し、キーサウンドを使った即興演奏を披露した。

●県国際博推進局は14日、イエメンとキューバが愛知万博に参加表明したことを明らかにした。外交ルートを通じて正式表明したのは、これで37か国となった。

●神田知事は全国知事会長の埼玉県知事を訪問し、全国知事会の場で万博をPRしたいと協力を要請した。

●博覧会協会は15日、国内外の著名な有識者を集めた「国際諮問委員会」に就任する委員11人を明らかにした。万博の会場計画や理念についてのアドバイスや提言を求める考えで、20日、名古屋市内で初の委員会が開かれる。
諮問委は、博覧会国際事務局(BIE)が設置を求めた組織。委員には、日本から藤井宏昭・元駐英大使(68)、ナイジェリアからはノーベル文学賞を受賞したウォーレ・ソインカ氏(67)ら、政治、文学など各分野で世界的に活躍している有識者が就任した。20日の委員会には、藤井元駐英大使ら7人が出席し、万博が果たす役割などをテーマに公開討論する。

●名古屋市は笹島地区で実施するサテライト事業への参加企業の公募を7月から開始し、10月末締め切り、11月以降に実施計画を策定する予定。今年の名古屋祭り中の10月19日に888日前イベントを実施すると発表した。

●愛知万博でのボランティア活動について考える「愛・地球博ボランティア意見交換会」の初会合が16日、名古屋市内で開かれ、多くの人が参加できるような多彩な仕事を検討していくとの方針を確認した。
万博のような大規模イベントでは、来場者の案内や整理、障害を持つ人たちの介護についてボランティアの力に負うところが大きい。博覧会協会では「ボランティアの協力、活躍が万博成功のかぎの一つ」と、意見交換会を設けた。会合には、愛知県内の万博推進団体やボーイスカウト連盟、社会福祉協議会、身障者団体など29の組織の代表らが出席。「『こういう分野でボランティア活動ができる』という情報を発信すべきだ」などの意見が出た。月に1回、会合を開き、年内にボランティア協会を設立する。

●愛知万博の環境影響評価修正案について、愛知県環境影響評価審査会博覧会部会は16日、オオタカなど希少な動植物への配慮など求めた部会報告をまとめた。この報告が、修正案への知事意見となる見通し。
部会報告では、愛知万博の理念を踏まえ「人類が直面するさまざまな環境問題の解決に向け、世界に誇れる内容とする」ことを目標に掲げた。大気汚染や騒音、振動対策では、万博開催時のほか工事期間中も環境への影響を低減するため、車両の分散化や低公害車の導入をするよう明記。生態系関連では、オオタカやシデコブシなどの保全のため、今後も必要に応じた措置をとることを盛り込んだ。計画が具体化した段階で追跡調査することになっている事業については、計画決定後、速やかに調査、評価するとともに、適切な保全措置を行うこととした。また、一連の環境調査や環境影響評価の扱いについて、委員から「万博にとって重要な意味をもつ。会場で世界に発信すべきだ」との意見が出され、博覧会協会側も同意した。

●国は、市民オンブズマンが求めた万博開催の中止を想定した国とBIEの会議録の公開請求を「BIEとの信頼関係が損なわれる」と公開を拒否した。オンブズマンは提訴する。

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