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【万博】2002.05.07-05.13の動き

●名古屋市は7日、2005年日本国際博覧会の開催に備え、庁内の関係部局による「市国際博覧会推進本部」を発足させた。
 松原武久市長を本部長に、各部局長ら幹部24人が本部員を務め、7つの部を設けた。総務部は、必要な情報を集め、関係部局に連絡する。安全衛生部は、消防局長が責任者を務め、災害対策などに漏れがないよう協議する。それぞれの部が責任範囲を明確にし、自主的に万博成功に向けて取り組んでいく。 市では万博に市単独のパビリオンを出展する計画で、歌手の藤井フミヤさんが総合プロデューサーを務める。また、名古屋駅南の笹島地区をサテライト会場と位置づけ、民間活力を利用した施設建設を予定している。

●愛知万博の環境影響評価に対し、住民から寄せられた意見の内容が7日、公表された。万博会場の愛知青少年公園と海上の森を結ぶゴンドラ建設が環境に与える影響を明記するべきとする意見が多く、博覧会協会は具体的な環境保全策を、これから作る環境影響評価書の修正版に盛り込むことにした。
協会は、評価書の作成に必要な手続きとして、評価書の原案を今年3月13日に公表し、住民から意見を募っていた。その結果、愛知県内を中心に886件の意見が寄せられた。ゴンドラについては、原案で「計画の細部が今後、固まっていくことに伴い、評価書作成後の追跡調査で環境への影響を予測していく」としていた。これに対し、「建設のように環境への影響が大きなものについて追跡調査ですませるのは許されない」という意見が886件中、58件と最も多かった。 協会は今後、修正評価書に盛り込む具体的な環境保全策を考えていく。修正評価書には、今回寄せられた意見のほか、愛知県や瀬戸市、長久手町、経済産業大臣の意見も盛り込まれる。

●愛知万博に単独パビリオンを出展する名古屋市は8日、パビリオンの建設、運営管理などを行う事業者を公募すると発表した。 公募の受け付けは参加表明が9日から17日まで。5、6社に絞り込んだ後、計画立案の体制や施設のアイデアなどを企画書にまとめて6月7日までに提出し、藤井さんを含めた選考委員会で事業者を決める。パビリオンのコンセプトや展示内容については、藤井さんがアイデアを出す。事業者はこれを藤井さんや、藤井さんが選んだスタッフらとともに具体化する。

●愛知万博の民間パビリオンについて、三井グループは9日、出展を表明し、単独館「三井・東芝館」での参加申込書を博覧会協会に提出した。単独館としては、電気事業連合会、トヨタグループ、JR東海などに次いで7番目となる。

●県は9日、愛知青少年公園のある長久手町で、愛知万博開催後の同公園の再整備計画について公聴会を開いた。この日の公聴会では、事前に申し込みがあった町民ら13人が、「東部丘陵の貴重な自然を保護する上で、有効な計画だ」「万博開催を前提にした計画で、反対だ。公園は今のままでいい」などとそれぞれの立場で意見を述べた。
県では今後、これらの意見も参考にしながら手続きを進め、今年秋ごろには、都市計画審議会の答申や国土交通大臣の同意を得て、都市計画決定したい考えだ。

●愛知万博の環境影響評価について専門家が助言する意見検討会の分科会が10日、経済産業省で開かれ、ゴンドラのルート案が了承された。絶滅の恐れがあるシデコブシが生息する湿地帯などを避け、環境への影響を軽減した、としている。
ゴンドラは、愛知青少年公園と海上の森の両会場約2・2キロを結ぶ。支柱は、自然への影響を避けるため、2か所で位置をずらした。もう1か所は森の中だが、影響はないとしている。博覧会協会は当初、環境への影響について追跡調査で予測するとしたが、住民から「それだけでは許されない」との意見が出たため、保全策を検討していた。
一方、海上の森で昨年確認された準絶滅危惧種で、タカの一種「ハチクマ」の巣が重みで木から落ちたため、協会が人工の巣を設置したことも報告された。

●県は10日、愛知万博に出展する愛知県館の基本設計会社に、浦野設計(名古屋市西区)を選んだ。県が青少年公園地区に出展するパビリオンは、「エコ・コミュニティーの実現」をテーマにした仮設の建物。基本設計にあたっては、環境負荷の低減、省資源、撤去後の資材再利用などを前提にしており、過去に実績のある地元の3社に設計案を出してもらった。
浦野設計の案は「壁の間に冷気を送り込むことで、冷房の温度を下げすぎないですむ」など、斬新なアイデアが盛り込まれており、評価委員会でも「環境に配慮した実現性の高い設計」と評価された。基本設計は9月末までにまとめられる。

●愛知万博の交通アクセスとなる東部丘陵線の施設造りに、障害者の要望を反映するための意見交換会が11日、長久手町役場で開かれた。「長久手・人に優しい街づくりの会」主催で、メンバーの障害者やボランティアのほか、愛知高速鉄道、県東部丘陵工事事務所、同町、名古屋市の担当者など合わせて約25人が参加した。同会では4月に名古屋ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」の大曽根駅、小幡駅などを視察しており、その時の感想を踏まえて意見を出し合った。

●愛知万博の関連事業の1つとして、県は来年度から、来場者の安全を確保するため、会場周辺で集中的に放し飼いの犬や野犬を保護する。森や丘陵地を生かした自然の中の会場だけに、放浪犬対策も必要になった。
集中捕獲は会場の瀬戸市の海上の森、長久手町の愛知青少年公園周辺で行う。同課は「ざっと見たところ放浪犬はほとんどいないが、外国の賓客が多く訪れることもあり、会場内で野犬が走り回っている、ということがないようにしなければ」と気を引き締める。また、博覧会協会は会場内でペットハウスを用意し、来場者のペット対策も行う。近年の地方博ではペットと一緒に入場するケースが増え、は虫類や珍しい小動物を持ち込む例もあるという。協会側は原則ペットの入場は禁止する方針だが、徹底するのは難しいとみている。

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