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【万博】2002.03.26-04.01の動き

●2月県議会が3月25日閉会し、愛知万博や中部国際空港の関連事業費が増額された一般会計2兆3611億円の02年度当初予算案を可決した。条例では、万博会場の準備工事が4月から始まるのに伴い、愛知青少年公園条例の廃止による同公園閉鎖や、園内の県児童総合センター閉鎖が決まった。

●3月25日、博覧会協会の理事会・評議員会が開かれた。企業の出足が鈍いことに、博覧会協会の坂本春生事務総長は「大きなグループ単位での出展は今後は無理だろう。複数企業による共同館や小規模出展で協力をお願いするしかないが、これからが正念場だ」と力を込めた。また、松原武久名古屋市長は「事前イベントで盛り上げ、企業の出展を促進したい」と語った。
難航している公営ギャンブルの補助金集めについて、神田真秋愛知県知事は「できるだけのことはしたいが、日本自転車振興会など、上部団体が具体的な計画を立ててもらわないと、動きようがない」と頭を痛める。
協会の豊田章一郎会長は、「外国の参加表明国数は過去の万博と比べ、早いペース。国内企業もこれと同様、たくさん参加してもらえるよう努力したい」としたうえで、寄付金については「安心してはいられない。万博の中身次第だ」と魅力ある計画の必要性を改めて強調した。

●愛知万博をPRする公式マスコットキャラクターが決まり、3月25日、博覧会協会から発表された。マスコットは、キャラクター作家の斉藤絹代さん、余村洋子さん姉妹が創造した「森のおじいちゃん」と「森のこども」。緑色の体は、会場になる海上(かいしょ)の森を表し、おじいちゃんと子供という関係は、万博のテーマ「自然の叡智」を現在から将来にわたってずっと伝えていくという願いを表現したという。協会はキャラクターの愛称を募集する。

●愛知万博に単独出展する名古屋市館の基本構想を策定している出展参加懇談会の4回目会合が3月25日、同市内で開かれ、松原武久市長に対し、市の基本構想に対する提言を出した。 提言は「人々の心を揺さぶるような驚きとダイナミックな感動を生み出す」など4つのコンセプトを挙げ、リサイクルを意識したパビリオン建設を求めた。また、同館の総合企画を担当するプロデューサーに懇談会の委員で、歌手の藤井フミヤさんを推薦した。藤井さんも就任に前向きで、市は今月内にも就任要請する考え。懇談会では、音楽以外にもデザインやイベントの演出などで活躍する藤井さんが適任だと意見が一致。藤井さんも「責任は重いが、力になれるなら前向きに検討したい」と笑顔で話した。

●名古屋市内のホテルで3月25日夜開かれた愛知万博の開催3年前イベント「愛・地球博大交流会」は、会を主催する「PR推進会議」をつくる愛知県や同県瀬戸市、名古屋市、博覧会協会などの関係者約1000人が参加した。
磯村巌・名古屋商工会議所会頭らが「今日から全国に、世界に力強く発信する」とPR推進宣言を読み上げた。神田真秋知事は「この熱気を維持しよう」と呼びかけて乾杯。最後は松原武久名古屋市長が「マラソンなら30キロ地点。いよいよスパートを」と閉会の言葉を締めくくった。また、席上では早速、この日公表されたマスコットキャラクターを広報プロデューサーのマリ・クリスティーヌさんが披露した。

●愛知青少年公園について、万博後の再整備計画の基本方針が3月26日、明らかになった。高齢者や障害者が利用しやすいよう園内の道や広場で段差をなくすことや、万博で整備した公園西側の入場口を災害時の避難誘導路にするという広域防災拠点としての機能強化を盛り込んだ点が特徴だ。
基本方針では、こうした特徴を生かしながら、現在、温水プール・アイススケート場や国際児童記念館などがある公園北部から西部を、水や緑に触れ合う「ひろばのゾーン」と名付け、センター広場など六つの広場を配置する。また、愛知万博で森林体感ゾーンになる公園南部は、人と自然の新たな関係を体感できる「もりのゾーン」とする。県では、都市計画法に基づき、公聴会を開いたうえで、今秋ごろには詳しい再整備計画をまとめたいとしている。

●緑区有松町の有松絞商工協同組合が絞りで愛知万博の横断幕をつくり、有松・鳴海絞会館に掲げた。横断幕は縦1・3メートル、横7メートル。木綿を緑色に染め、万博のシンボルマーク、ロゴ、「成功させよう愛知万博」というキャッチフレーズの部分に四種類の技法で絞りを施した。同組合は有松地区の絞商工業者26人でつくる。絞会館や古い町並みが続く周辺は県外からの観光客も多く、万博成功に向け、PRしたいという。

●アルゼンチンなど7か国の政府関係者らが愛知万博出展に向けての調査のため来日し、3月26日、神田真秋知事を表敬訪問した。訪れたのは、アルゼンチンのほか、オーストリア、ベルギー、ケニア、韓国、フィリピン、ポーランドで、外務省が招待した。神田知事は、「この地域が地球規模での交流の舞台となるよう取り組むので、ぜひ、早期の表明をお願いしたい」とあいさつした。

●国土交通省は3月26日、愛知万博の交通アクセスとなる「東部丘陵線」の工事認可を、愛知高速交通に出した。同社では、新年度から車両基地の建設に着手する。同線は名古屋市営地下鉄東山線の藤ヶ丘駅と愛知環状鉄道の八草駅を結ぶ8・9キロで、世界で初めて常電導磁気浮上式リニアモーターカーが実用化される。

●瀬戸信用金庫は3月26日、環境マネジメントの国際標準規格「ISO14001」の認証を取得した、と発表した。信用金庫として、全国で5番目。愛知県内の信金では初めて。環境をテーマにした愛知万博が開かれることにちなみ、地元金融機関として、環境問題に取り組む姿勢をアピールするのが狙い。同金庫本店では、ゴミの分別回収を徹底したり、再生紙など環境に配慮した事務用品の使用に心がけたりして、省エネ・省資源に努める。

●名古屋商工会議所は事務局の組織を4月1日付で見直す。中小企業対策や、愛知万博などの大規模事業の推進を重要な業務と位置づけ、担当部署の機能を集約・整理して効率化を図る。新設するプロジェクト推進部が万博のほか、中部国際空港や首都機能移転問題を担当する。

●愛知万博への出展を表明していたJR東海は3月28日、単独館での参加申込書を博覧会協会に提出した。同社は、リニアモーターカーの実物を展示する方針。また、全国の都市ガス事業者235社でつくる日本ガス協会は、この日の理事会で、愛知万博への出展を決めた。

●名古屋市は3月28日、愛知万博をPRする巨大看板(縦10メートル、横20メートル、笹島操車場跡)を同市に寄付した中日新聞社に感謝状を送った。

●愛知万博の会場周辺にすむオオタカなどの保護策を、研究者や学者が考える調査検討会が3月28日、名古屋市内で開かれた。万博会場の愛知青少年公園(愛知県長久手町)が周辺にすむオオタカのえさ場のため、検討会は博覧会協会に対し、近く完成する万博の環境影響評価の修正評価書に公園がえさ場になっていることを明記し、保護策を考えるよう求めた。また、愛知県からは、会場周辺で今年も複数のオオタカが営巣する可能性があることも報告された。

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