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【万博】2002.3.5-3.11の動き

●今夏に会場建設が始まる愛知万博の環境影響評価の修正評価書案が4日、経済産業省の意見検討会(座長・森島昭夫名古屋大名誉教授)で了承された。工事と並行して実施する追跡調査は、両会場をつなぐゴンドラのルート(2・2キロ)で、動植物の影響を調べるほか、海上の森会場近くで営巣が確認された準絶滅危惧種のハチクマも繁殖状況を把握する。
 修正評価書は、会場が海上の森だけだった当初の計画から両会場に変更され、さらに、その後は会場面積が縮小されたため、博覧会協会が従来のアセスをまとめ直した。評価書では、造成面積を海上の森会場5・4ヘクタール、青少年公園会場36・3ヘクタールの計41・7ヘクタールと初めて明らかにした。そのうえで、全体として環境への影響は少ないとした。
 ゴンドラについては、自然保護団体が環境への影響を懸念しており、ルート沿いの幅1キロの範囲で、希少な植物は今年7−8月、動物は同6−9月にかけて追跡調査する。環境への著しい影響が予測される場合は「必要な措置を講ずる」とした。博覧会協会は今後、住民に修正評価書案を公開するほか、愛知県知事や経産相の意見を聞いたうえで、会場造成に入る前までに、最終的な修正評価書を確定させる。

●名古屋市は4日、愛知万博に単独出展する名古屋市館について、2000年のドイツ・ハノーバー博の日本館を上回る規模とする方針を明らかにした。市議会代表質問で因田義男総務局長らが「新しい市の魅力を世界に発信したい。新年度早々にもプロデュース体制を立ち上げる。ハノーバー博の日本館の内容を超えるものにしたい」と述べた。ハノーバー博の日本館は、建設運営費で約24億円をかけた。

●愛知万博会場となる海上の森や愛知青少年公園周辺で、お祭りムードを盛り上げようと、イベント開催が持ち上がった。県国際博推進局などが呼びかけたところ、約30人の若者が集合、すでにスタートアップミーティングを行い、手作りイベントを繰り広げることを決めている。イベントは、曜日の都合で23、24日の土日に、瀬戸市文化センターや青少年公園で展開する。文化センターでは、アマチュアグループによるダンスや生演奏、青少年公園では海外の若者を交えた討論会や子供も参加できるスタンプラリーが計画されている。

●愛知万博の開催3年前を記念した「地球市民フォーラム あいち発見伝」は13日、長久手町の文化の家(森のホール)で開かれる。愛知万博を、まちづくりの視点で話し合うもので、地元の陶芸家らが参加する。

●今月4日に経済産業省の意見検討会が承認した愛知万博の環境影響評価の修正評価書案を巡り、「海上の森エコミュージアムネット」などの市民団体は7日、「原案に住民から寄せられた意見がすべて掲載されていない」などとして、原案を作った博覧会協会にその理由をただす質問書を提出した。
これに対して博覧会協会は「時間の都合上、手続きや調査項目に関する一部の意見だけになってしまったが、完成版ではすべて掲載する」と説明し、問題はないとした。協会によると、住民意見はこれまでに約80件以上集まっているという。さらに、同ネットなどは同日、経産省や意見検討会に対しても、「不完全な資料で論議し、承認したのは大問題」として、承認の取り消しを求める要請文書をファクスで送信した。

●経済産業省の環境影響評価会の松田委員・東大助教授が「反対意見が全く考慮されなかった」と辞意を表明した。松田氏はBIE登録時の計画や実施しない場合などとの環境負荷の比較を主張し、修正評価書を強く批判した。

●愛知万博の会場造成工事のため、愛知青少年公園内にある県児童総合センターが今月末で休館されることに反対して、センターを愛する親と市民の会(代表・高野雅夫名大大学院助教授)は8日、神田真秋知事に、嘆願書を出した。
嘆願書では、同センターが年間50万人もの親子が訪れる魅力的な施設だとして、万博工事期間中も開館を求めている。また、やむを得ず休館する際には、同公園近くに代替施設を準備するよう求めている。

●豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長は万博にグループ各社と共同して単独パビリオン出展し環境関連の先端技術を展示することを表明した。電気事業連合に続き2つ目の企業出展となる。

●三菱グループの三菱商事・重工・キリンなど中核28社の社長らで構成する「金曜会」はグループとして単独パビリオンを出展することを決めた。

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