HOME > 資料集 > 万博問題特集 >

<<バックナンバーのインデックスへ

【万博】2002.2.12-2.18の動き

●万博アセス市民の会総会が11日に開かれ、約30人が参加した。万博基本計画はBIE登録時より事業計画が拡大していると指摘し、公正、民主的な環境アセスメントの実施を求めることなどを確認した。

●万博に関する経済産業省の環境影響評価書意見検討会工学系分科会が12日開かれ、委員から青少年公園の環境アセスの進め方について住民意見を重視すべきことを求める意見が出された。

●愛知万博への企業参加を促すため、名古屋商工会議所は12日、「企業参加に関する懇談会」を名古屋市内のホテルで開いた。各企業の万博担当者ら約300人が出席、「パビリオン出展には、どれくらい費用がいるか」などと質問が出され、協会側が「約2000平方メートルの敷地の場合、一般的には(建設、展示、運営の総額で)15−20億円の費用がかかる」などと具体例を挙げて対応した。
名古屋商工会議所が名古屋市内の会員企業を中心として約2500社に愛知万博への参加に関するアンケート調査を実施したところ、回答企業(236社)の約7割が何らかの形で参加に前向きなことが分かった。
それによると、参加を予定している企業は68社(28・8%)、「検討中」は96社(40・7%)と前向き派が7割を占め、予定していない企業は72社(30・5%)にとどまった。前向き派164社のうち、「パビリオン出展参加」と回答したのは12社(7・3%)、「協会企画事業への参加」を挙げたのは53社(32・3%)、それ以外の「営業や催事、広告などへの参加」は103社(62・8%)だった。参加を検討するうえでの重要なポイントとしては、「自社のPR・ビジネス拡大への関連性」と答えた企業が123社(52・1%)と全体の半分を超えた。

●愛知万博の海上地区(愛知県瀬戸市)に建設される「愛知県館」の万博終了後の活用方法について、図書館機能を備えた施設とする試案が、12日、名古屋市内で開かれた「里山学びと交流の森検討会」で、県側から示された。
同館は、万博後、同地区活用の中核となるが、委員からは「今の段階から細かく限定すべきでない」「研究施設も必要だ」などの意見が相次いだ。
同検討会は、愛知万博の会場計画に市民らの意見を反映させた「愛知万博検討会議」の後継4組織の一つで、瀬戸市や自然保護団体の関係者、有識者ら11人が委員。県は、愛知万博開催後の海上の森について、「里山学びと交流の森」として整備する方針で、これまでの会合で、「湿地やホタルの生息地を守ることが必要」「林道や散策道を整備したらどうか」などの意見が出ていた。 この日の会合で示された愛知県館の万博後の活用方法の試案は、図書館機能のほか、情報技術(IT)ルーム、多目的ホールなどが挙げられていたが、まだ具体的なものではなく、さらに詰めていく方針。

●伊藤忠商事と名古屋鉄道は12日、フランス最大の鉄道システムメーカー「アルストーム社」(本社・パリ)と共同で、愛知万博会場への交通機関として建設されるHSSTを、世界各国に販売するための研究を始めると発表した。市場調査などを経て、今秋をめどに正式に提携する方針。

●愛知万博に対する愛知県の出展計画を話し合う懇談会(座長・堀内守名大名誉教授)は13日、基本計画案を公表した。海上会場では「森の鼓動と呼吸」をテーマに、人と自然のかかわりを学び、青少年公園会場では、愛知の「モノ作り」に焦点をあてる。
計画によると、海上会場では、森の様々な動物や虫を観察したり、県民が参加して環境関連のシンポジウムを開いたりする。青少年公園会場での展示テーマは「環業革命への力」で、産業と環境とのかかわりや、からくり人形など愛知ならではの伝統工芸を展示する。
記者会見した総合プロデューサーの山根一真さんによると、会場で使う電力を風力や太陽熱などの自然エネルギーで賄うことを検討。展示内容では、昆虫を1万倍の大きさのロボットなどで再現し、小さな虫の「大きな知恵」を見せるアイデアをはじめ、来館者が自分の人生で消費してきた石油や食糧の量が分かる仕組みなどさまざまな企画を考えている。山根さんは「『学ぶ』といった固い姿勢でも、単なるお遊びでもないような中身にしたい」と話していた。県は、3月末までに基本計画の決定版をつくる。

●万博会場内外の施設を、身障者や高齢者が利用しやすいものにする方法を考える博覧会協会バリアフリー対策検討委員会が名古屋市内で初会合を13日に開き、3月中に、バリアフリー対策の基本をまとめたガイドラインをつくり、協会に提言することを決めた。

●愛知県は13日、一般会計が2兆3611億円の2002年度当初予算案を発表した。05年の愛知万博や中部国際空港開港に向けた関連事業が大幅に増額されており、一般会計は前年度当初比2・5%増で3年連続のプラスとなった。一方、借金にあたる県債は同59・8%増となる過去最高の4438億円を発行する。県債残高は3兆3272億円に達し、10年前の2・6倍に膨らんだ。県民1人当たり約48万円の借金をしている計算だ。
歳入面では、不況による企業収益の低下で、県税収入の大幅減を見込んでいる。法人2税(法人県民税、法人事業税)は合計3654億円と、前年度当初比90・1%に落ち込む。県税全体も同91・3%の1兆25億円で、951億円の減収が見込まれる。
税収減で地方交付税は増額されるが、歳入不足は埋められず、後年度の地方交付税で穴埋めする「臨時財政対策債」などの県債を増やした。
歳出は、会場工事が始まる愛知万博の開催準備費が計64億8924万円(前年度当初比5倍増)。万博協会への補助金を大幅に増やす。急ピッチで工事が進む中部国際空港事業への支出も95億3718万円(同1・5倍増)に上る。万博・空港関連のアクセス道路をはじめとする県単事業費は、同2割増の1917億4014万円となっている。

●名古屋市は14日、総額2兆7662億円の02年度予算案を発表した。一般会計は今年度当初比で6・2%減の1兆408億円で、2年ぶりの減額予算。不況の影響で、市税は今年度当初比6・3%減となる306億円の減収とした。443億円の財源不足が見込まれたため、財政健全化債を新たに発行し、借金返済用の公債償還基金から4年連続で借り入れる。
歳出では、大半の科目で今年度当初を割り込んだ。ごみ対策などの環境費は16%減。文化小劇場の整備など「文化」が39・3%減。スポーツセンターなどの施設整備も削った。投資的経費は全体で9%減。ただ「港湾・空港」は今年度当初の1・5倍、「観光・コンベンション」は1・7倍と、05年の愛知万博や中部国際空港開港に向けた支出は伸ばした。
歳入では、企業収益の減少を受けた法人市民税の23・3%減。対今年度比6・3%減という市税の落ち込みは、戦後の混乱期の46年度を除き過去最大。

●愛知万博と中部国際空港の2大プロジェクトについて、愛知県は14日、鉄道や道路アクセスを含む関連事業の総試算額を初めて公表した。中部国際空港が9736億円(県負担分826億円)、愛知万博が3432億円(同1651億円)で、合わせて1兆3168億円(同2477億円)となった。

●海上地区の日本政府館の万博開催後の引き取り先をめぐり経済産業省と県・瀬戸市が対立している。同省は瀬戸市に買い取りを求めるが、瀬戸市は財政難を理由に拒否し、県に援助を要請している。国では、恒久施設を止め仮設に留めるとの案も浮上している。

●愛知万博に名古屋市館の出展を計画している市は、出展参加の基本的な考え方を「骨格」として公表し、15日、市民からの意見募集を始めた。寄せられた意見も反映させて、3月には市の方針を固める。
名古屋市館のテーマについて「日本のこころ、地球のいのち」とし、(1)驚きと感動を生み出す(2)ふれあいと安らぎを与える(3)知的好奇心を満足させる、などを展開コンセプトとする。

●愛知万博で、瀬戸市の海上地区に造られる愛知県館について、県は15日、選定委員会を開き、設計業者を東京都港区の「第一工房」(高橋社長)に決めた。設計費1100万円。建物は建設地の斜面に合わせ階段状で、内部から海上の森全体が見渡せる構造。県は「愛知万博の精神に立脚し、これからの建築と環境のあり方を具体的に示す」提案を公募した。この日は書類審査をパスした7社からヒアリングし、最終的に委員の投票で選んだ。

●国土交通省は15日、政府パビリオンの建設コンサルタントを選定し、業者の提出した技術提案書概要を公開した。事前の改変を最小限にする展示・催事・建築が一体となった施設をめざす。

●中央環境審議会の小委員会は15日、日本の自然保護政策の基本方針となる「生物多様性国家戦略」の素案を取りまとめ、保護対象をてつかずの自然から里山や湿地などの身近な自然や、干潟や湿原など失われた自然の再生を打ち出した。

●万博中止の会は16日、長久手町で住民集会を開催し、約100人が参加した。基調講演でオリンピック後の長野の苦境を報告した。地元住民らを加えパネル討論後町内をデモ行進した。

▲ このページの先頭にもどる