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【万博】2002.1.22-1.28の動き

●愛知万博に瀬戸の焼き物文化を生かそうという「やきもの活用検討会」の初会合が21日、瀬戸市役所で開かれた。瀬戸市長から委員に委嘱された地元の陶磁器、陶芸関係者や学識者ら10人からは、「万博閉会以降も後世に残るざん新な提案をすべきだ」「地元の陶磁器産業が新たに飛躍できるチャンスとして生かしたい」など、活発な発言があった。
 検討会では、委員の互選で木村光伸・名古屋学院大学長を座長に選び、2月下旬までの答申作成を目標に、今後、週1回のペースで会合を開くことを申し合わせた。

●県が愛知万博に出展する「愛知県館」の設計者募集について、県は22日、名古屋市中区三の丸の県自治センター12階で応募作を一般に公開する。
同県では、海上地区に建設する愛知県館の設計者をプロポーザル(提案)方式で選ぶことを決め、今月上旬に応募を受け付けた。詳細な図面の提出などを求めるコンペ方式と違い、プロポーザルは理念や発想などの独創性で競う。
県内をはじめ東京、大阪などの業者から計28件の応募があり、きょうの公開では、それぞれの応募業者のこれまでの実績や、愛知県館に対する提案、イメージ図を展示する。

●日本共産党県議団は22日、2002年度の当初予算への重点要望九項目を神田真秋知事に提出した。要望は(1)地域経済のたて直し(2)医療福祉の拡充、介護保険の改善(3)地震防災対策の強化など。環境破壊と浪費を理由に愛知万博・中部国際空港の中止も盛り込んだ。

●愛知万博を広くPRするため、博覧会協会は2月1日付で、国連人間居住センター親善大使を務めるマリ・クリスティーヌさん(47)を広報プロデューサーに委嘱した。今後、協会の広報活動へのアドバイスをしたり、自らも万博関連のイベントなどに参加したりする。クリスティーヌさんは米国籍で、東京都出身。上智大学卒、東京工業大大学院理工学研究科の修士課程修了。ドイツ、米国、イラン、タイなどで暮らした経験や語学力を生かして、国際会議、イベントの司会、講演などで活躍するほか、中央省庁の委員会委員も多数務めている。
24日、博覧会協会の坂本春生・事務総長と会見したクリスティーヌさんは、「愛知万博は21世紀初の万博として、以前から知っていた。環境をテーマにした日本を代表する万博として、しっかりと広報活動をしていきたい」と抱負を語った。坂本事務総長は「多くの人に意見を聞いたが、クリスティーヌさんを推す声が一番多かった。タレント性、知性、人脈に期待しています」と話している。

●愛知万博を飛行船でPRしようと、鳥羽水族館の中村幸昭館長らが「飛行船サポーターズクラブ」(天沼春樹代表)を設立した。ドイツ・ツェッペリン社の新造機を購入し、万博会場の上空で国内初の遊覧飛行を計画している。
飛行船は全長75メートル、14人乗りで、約11億円。今秋、ツ社に製造を発注する。2004年春の完成後、約4か月かけて、ドイツから日本へ飛行し、経由する各国で万博を宣伝する。万博閉幕後は伊勢・志摩などで観光遊覧事業を行う。

●愛知万博協会は24日、民間企業への出展説明会を名古屋市内で開き、パビリオン出展企業の敷地利用料を1平方メートル当たり2万円とする条件を初めて示した。
民間パビリオンの敷地は約3万平方メートル(延べ床面積2万平方メートル)で、9−10館程度となる予定。
パビリオンは1企業で出展する単独館と、複数の企業による共同館、多企業が集まる集合館の3種類で、単独館と共同館に出展する企業は、延べ床面積を最低1000平方メートル確保するという条件も新たに提示された。集合館は1区画の展示の下限面積を200平方メートルとした。説明会には、163社19団体の約290人が出席した。この後、2月下旬には現地説明会も開き、3月25日から4月24日まで出展申し込みを受け付ける。協会で検討したうえで7月に出展契約する。

●経済産業省は25日、愛知万博の愛称を、「愛・地球博 Exposition of Global Harmony」と決めた。愛称は、博覧会協会と、協会から委嘱を受けている東大名誉教授の木村尚三郎氏ら六人のプロデューサーが原案を作り、経産省で検討していた。
地球博という言葉には「同じ地球に住まう仲間が、環境や文明、文化について語り合う博覧会を目指す」という姿勢が込められた。また、愛・地球の部分には「愛知」の意味も重ね、「愛」という言葉で、人類の平和な結びつきや自然を慈しむ心を表現している。一方、英語の愛称には「人間と自然が共生する、新たな地球社会」という意味があるという。
愛知万博については以前から、「海外では『愛知』の知名度が低い」と指摘されており、小泉首相が協会などに、新しい愛称の選定を勧めていたという。書体を含むデザインは3月25日までに確定する。この日、愛称を聞いた小泉首相は「愛知の愛、愛子さまの愛か。アイチとも読めるし、うまい愛称を考えたね」と感想を話した。

●全国10の電力会社でつくる電気事業連合会は25日、2005年の愛知万博に参加すると発表した。展示内容などを検討する準備組織「愛知万博推進室」を2月1日付で設置する。同連合会の参加決定に対し、博覧会協会の坂本春生事務総長は「心から歓迎したい。また、今回の参加決定が弾みになり、今後も多数の企業や団体の皆さんが参加していただくことを期待しています」とコメントした。

●博覧会協会は、愛知万博会場での効果的な医療・救護体制などを考える対策協議会をつくり、25日、初会合を開いた。協議会には、愛知県や名古屋、瀬戸、豊田市、長久手町の万博、消防、民生担当者や、同県の医師会や歯科医師会、病院協会が参加した。今後、会場での救護所の数や設備、規模をはじめ、飲食施設の衛生管理の方法、感染症や病害虫への対策などを考え、協会に提言する。
初会合では今後、協議会内に医療救護、公衆衛生、環境衛生の3つの専門部会を設けて具体的な対策を考え、来年度中をめどに協議会でそれらをまとめて基本計画に仕上げていくことを確認した。

●2010年の国際博覧会の開催地に名乗りを上げている中国・上海市の「経済貿易代表団」(代表・蒋以任副市長)の一行が25日、博覧会協会や県庁などを表敬訪問し、「上海万博」の実現に向けて協力を要請した。
蒋副市長ら上海市幹部8人の代表団はまず、協会で坂本春生事務総長らと会見した。坂本事務総長が「役に立てることがあれば何でも相談してほしい。愛知万博への参加もよろしく」とあいさつすると、蒋副市長は「2010年の万博は、中国やロシア、韓国など計六か国の激しい争いになる。ぜひ協力をお願いしたい」などと答えた。
続く意見交換では、代表団のメンバーが、愛知万博の計画について質問した。蒋副市長は、愛知万博の想定入場者数(1500万人)の少なさに驚いた様子だったが、坂本事務総長は「私たちは入場者数ではなく、中身で勝負したいと考えている」と説明した。
代表団はこの後、愛知県庁で神田真秋知事と会談したほか、三河港を訪れ、外資系自動車輸入施設や産学共同研究施設などを視察した。

●瀬戸市で24日夜、愛知万博の基本計画の説明会があり、市民約400人が集まった。同博覧会協会や県の担当者に対し、市民からは「市民参加の方法は」「瀬戸市の活性化に役立つ企画を」などの要望や意見が相次ぎ、協会などからも踏み込んだ回答が出された。
市民参加の方法について、協会は「企画、運営とも市民に任せる市民参加の実行組織を早期に設置し、海上会場の交流広場などで、市民交流プラザ事業を展開することを考えている」と回答した。また、県は「県内の全自治体に市民参加の企画事業を実施してもらうよう呼びかけ、地域が連携して会場外から愛知万博を盛り上げたい」と回答した。
一方、会場での焼き物の利用について、県は「海上会場に建設する恒久施設で焼き物を活用することを考えている」と述べた。

●世界自然保護基金(WWF、本部・スイス)のピーター・クレーマー・ネットワーク開発局長(61)が来日し、26日、名古屋市内で、愛知万博に批判的な市民団体との懇談会に出席した。同局長は、万博が自然保護のため計画変更された点を評価したうえで、さらに、会場周辺の自然を守るよう努力を求めた。
局長は、複数の市民団体の招きで訪れ、愛知県瀬戸市の「海上の森」と同県長久手町などの万博会場を見学した。市民団体側は「青少年公園の希少な動植物が失われる」「財政が厳しい中、愛知県は万博を強行しようとしている」と批判した。これに対し、局長は「計画は劇的に変わり、森は守られた。会場地域の自然環境がきちんと考慮されるべきだ」と強調した。 懇談会の後、クレーマー局長は「WWFは愛知万博への参加を検討しているが、市民参加の手続きがまだ不十分ではないか」と話し、市民の意見が十分反映されるべきだという認識も示した。

●長久手町の町制施行30周年記念「国際博覧会シンポジウム」(町主催)が26日、町文化の家で、約300人が参加して開かれた。05年愛知万博の愛知県パビリオン総合プロデユーサーを務めるノンフィクション作家、山根一眞氏(54)が、「EXPО×環境×長久手という幸せな三角関係」と題し基調講演。自宅の太陽光発電システムをパソコン画面で紹介しながら「環境(エコ)はおもしろい、やれる所からやってみたら」と呼びかけた。
引き続き「愛知万博を契機としたまちづくり」をテーマに、柴田園子・トヨタ博物館広報担当部長、清水裕之・名大大学院教授、半田暢彦・県立大教授、堀越哲美・名工大大学院教授と加藤梅雄・町長らがパネリストとなり、ものづくり、芸術文化、環境共生、まちづくりなどの視点からパネルデスカッションを行った。

●博覧会協会は、会場のパビリオンに使った建設資材を会期後にアフガニスタンに輸送し、病院や学校建築などに役立てる計画の検討を始めた。愛知万博を通した発展途上国支援の柱として、協会はアフガン以外も視野に入れて外務省と協議している。愛知万博の外国館パビリオンは1350億円の会場建設費の枠内で博覧会協会が建設する。環境に配慮し、リサイクル、リユース(再使用)、リデュース(減らす)の3Rを提唱して会場建設資材の再利用を想定。組み立て式にして解体、運搬しやすくするアイデアもある。
昨年12月に基本計画がまとまり、建築物や会場造成の基本設計に入って建設資材の素材の検討も開始。再利用先の国、地域の乾燥度など気候風土に合わせるため、再利用先を決めて素材を選ぶ必要があり、3月中にも固める方針。協会内部では、再利用先として発展途上国を対象にする意見が大勢を占め、アフガン復興に役立てる案が浮上した。万博が終了する05年9月には新国家が誕生している見通しだが、復興半ばでも十分に役立つと判断、住居よりも学校や病院などの公的施設の方がふさわしいと考えている。
博覧会協会はODAの利用や、NGOとの協力など援助手法も模索し、外務省との協議を開始。同省無償資金協力課によると、具体的な検討はこれからだが、利用資材の提供は十分可能だという。坂本春生事務総長は「どこまで実現できるか分からないが、非常に前向きに検討している」としている。

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