【02.08.05】中部国際空港工事の熱中症死亡
県議会で林県議が追及
劣悪な作業改善を
2002年8月6日 「しんぶん赤旗」
愛知県議会中部国際空港対策特別委員会が5日開かれ、日本共産党の林信敏県議は、先に空港建設工事の労働者が熱中症で死亡した問題を取り上げました。海上の埋め立て地での空港、前島建設工事が強烈な炎天下での作業になっていることから、作業環境の改善を強く求めました。
事故があったのは7月28日。空港島連絡橋建設に当たっていた男性労働者(36)が熱中症で倒れ、翌29日に腎不全で死亡しました。
林県議は、関係業者が労災事故として遺族に万全の補償をするよう県が要請することを求めました。県側は、受注者に万全の措置をとるよう指導したいと答えました。事故当時の気温は31度で、死亡した労働者は、風通しの悪い橋げたの中で作業をしていたといいます。
林県議は、空港島建設の労働者から、「作業現場は、しゃく熱の太陽が照りつける“ゴビ砂漠”のようだ」という声とともに、トイレも少なく、水分補給など健康管理は本人任せ状態に近いという、劣悪な作業環境を告発する訴えが寄せられていることを紹介。水分や塩分補給、日陰の休憩所確保、作業状況の巡視、健康確認など、予防措置の徹底を強く求めました。
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空港建設に従事する労働者数は、この日の県側の説明では、現在、空港関連が1日約900人、開発用地関連(空港島内と前島)が約340人(7月平均)だといいます。2004年春がピークで、合わせて1日8800人を見込んでいるといいます。