【空港】2003.08.04-08.17の動き
●愛知県は5日、中部国際空港の空港用地の都市計画区分で、ターミナル用地(約140ヘクタール)を「市街化区域」、滑走路を含む離着陸用地(約240ヘクタール)と駐機場(エプロン)用地(約100ヘクタール)の大部分を「市街化調整区域」とする案をまとめ、空港会社と常滑市に示した。県は今後、都市計画審議会に諮り、最終決定する方針。
空港用地約470ヘクタールの都市計画区分について空港会社はこれまで、「用地はすべて調整区域」と主張。これに対し、税収増を狙う常滑市は「エプロンはターミナル施設と一体の存在」として、ターミナル、エプロン両用地を固定資産税が調整区域に比べ高く、都市計画税も徴収できる市街化区域とすることを県に求めていた。これに対し県は「エプロンの利用は、空港関係者、航空会社に限定され、市街化を促進するような建物の建設も見込めない」として、ターミナルに接する通路部分約六ヘクタールを除き、エプロン用地を調整区域とした。 県の案について、空港会社は了承する方針だが、常滑市は、エプロン用地をすべて市街化区域とした場合に比べて年間税収が約6500万円減と試算されるため、石橋誠晃市長は「引き続きエプロン全体を市街化区域とするよう求めていく」と話している。
●中部国際空港会社は6日、現在の社員350人を約100人減らし、250人規模の体制で、2005年2月の開港を迎える見通しを明らかにした。開港後、空港利用の伸び悩みが予想され、厳しい会社運営が強いられる情勢にあることから、経費削減のため、体制のスリム化を図ることになった。
空港会社は350人の社員のうち約280人が、国や愛知県、名古屋市などの自治体、民間会社からの出向組で、独自に採用しているのは約70人だけとなっている。今年は建設工事や航空会社など関係機関との交渉が本格化することから、空港会社では営業部を4月に、開港準備調整室を6月に設置するなど、社員数が急増している。しかし、今後は工事の進行状況に合わせ、工事関係に携わる建設部や調達部、建設事務所を中心に、出向者が元の所属先に戻る際、後任を補充しないなどして、社員を段階的に減らし、開港時には250人規模にする。これに合わせて、現在、8部1室と2事務所で構成される会社組織の統廃合も検討する。 関西国際空港会社では、ピーク時から約30人少ない約530人体制で開港を迎えたが、空港需要の伸び悩みなどから、3か年でさらに50人削減する。