【空港】2003.06.30-07.07の動き
●中部国際空港開港に伴い名古屋空港に隣接する航空自衛隊小牧基地の機能拡充が懸念される問題で、春日井市の鵜飼一郎市長は６月３０日、「基地に空中給油機が配備されることは容認できない」との見解を示した。
同日の市議会で、成瀬正美議員（自民ク）の「新空港開港後、空中給油機の配備、自衛隊機の発着増や輸送部隊の増強が考えられる」との一般質問に答えた。空中給油機は、中期防衛力整備計画（０１〜０５年度）で４機購入する方針が決まっており、０６年度に初配備する予定。
●愛知県は３日、すでに認定されている中部国際空港周辺の「国際交流特区」に、名古屋空港を加えるよう変更申請した。また、愛知万博が開催される東部丘陵地域などを対象にした「モノづくり研究開発特区」を新たに申請した。国際交流特区は、税関の手数料を２分の１に引き下げることで、国際航空貨物取扱量の増加を狙っているが、中部空港開港にスムーズに移行するためには、現在の名古屋空港も特区に含めることが必要と判断した。 一方、研究開発特区は名古屋市や瀬戸、春日井市など６市町が対象。外国人研究者の在留期間を最長３年から５年に延長するなどの規制緩和を行い、産学官連携による学術研究拠点づくりを目指す。
●国の来年度の予算編成に向けて、神田真秋知事は３日、環境省を訪れ、愛知万博に合わせて開かれる国際こども環境会議への支援や道路交通環境対策の推進などについて要望した。
神田真秋知事は４日、国の来年度予算の編成に向け、前日に引き続き各省庁で要望活動を展開。中部国際空港、愛知万博などについて支援や予算措置を要望した。国土交通省では、名古屋空港について「これから一番重要な時期なので、用地、管制の問題も含め、開港後の体制も円滑にいけるようお願いしたい」と求めた。「中部国際空港開港と同時に、中断することなく開港させる」として「歯車がかみ合うようしっかり議論しましょう」と話した。内閣府では、鴻池祥肇防災・構造改革特区担当大臣に、東海・東南海地震対策や特区制度の推進などを要望。名古屋空港の広域防災拠点整備も求めた。総務省では三位一体改革の推進を訴えた。神田知事は「来年度は二大事業など長年やって来たことの一つのゴールの年。開港、開幕に向けた最後の努力を皆に理解してもらった」と話した。
●中部国際空港の総事業費について、同空港会社は当初計画されていた７６８０億円から１２４９億円削減できるとの試算をまとめ、国土交通省や愛知県、名古屋市など関係機関へ伝えた。大幅削減に伴い、来年度以降、国への予算要望は行わない方針。大型公共事業で事業費が計画を下回るのは極めて珍しい。
中部空港と同じ海上空港の関西国際空港の一期工事は、地盤沈下などから、総事業費は約５０００億円追加されて約１兆５４００億円にまで膨らみ、多額の借入金が経営を圧迫している。こうした反省から、中部空港では、民間が資本金の半分を負担する指定法人が事業主体となり、徹底したコスト削減に取り組んでいる。さらに有利子借入金（４６０８億円）の金利が、当初見込んだ年４％台後半と比べ、１％台で推移していることから、約５３０億円の金利負担を数百億円規模で削減できる見通し。事業費が圧縮できれば、着陸料を安く設定でき、民間路線誘致など国際空港間の競争が有利に展開できる。
空港会社には今年度までに、６４３１億円が投入された。
●中部国際空港会社が、国内の空港では国際線に限って旅客から徴収している「旅客サービス施設使用料」を、国内線利用者からも徴収することを検討していることが、６日明らかになった。国内線から新たな収入を確保するのは初めて。国際旅客の使用料を低く抑え、需要増を目指す。地方空港には使用料がなく、赤字の要因にもなっており、導入されれば、全国の空港運営にも影響を及ぼしそうだ。
●政府が０６年度導入する空中給油･輸送機の配備は小牧基地が有力となっている。候補には千歳・百里・浜松・美保があがっているが、Ｃ−１３０輸送機への給油や日本の中央部という利点からは小牧基地。新格納庫整備のため、年内絞込み予定である。
●県が買取る意向の名古屋空港滑走路部分（１１０�如砲肇拭璽潺淵詬冀蓮複僑悪如砲旅愼�額として計１８６億円を国交省に提示した。国交省はこの数倍を示しており交渉の難航が予想される。
