【空港】2003.06.23-06.29の動き
●6月定例県議会は23日、一般質問があり、名古屋空港について、中部新空港開港後の方針について、鈴木克幸企画振興部長は「防衛庁に対し自衛隊機の使用に見合った応分の負担を求めるが、基地機能の拡大にはつながらないよう対応したい」と答弁。神田知事も同様の姿勢を強調した上で、現空港の周辺環境対策などについて「国にきちんと対応するよう県も物を言っていく」とする一方、「地元も現空港を含めたまちづくりに取り組んでほしい」と述べ、一定の負担も含めた積極的な対応に期待感を示した。
●常滑市議会定例会が23日開かれ、中部国際空港の開港に向けて中部臨空都市のまちづくりなどを検討する「空港・臨空都市特別委員会」の設置案を可決した。
新設した同特別委員会は、県企業庁が空港島の一部と対岸部(前島)に造成する中部臨空都市への企業立地や雇用創出、カジノなどの集客施設構想、空港の玄関都市にふさわしいまちづくりなどについて調査研究する。委員定数8人で、調査が終了するまで閉会中も開催する。 これまで正副議長を除く議員でつくる中部国際空港特別委員会が空港問題全般を検討してきたが、4月の改選でなくなり、開港まで2年を切ったのに伴って、中部臨空都市を中心に検討する組織を新設した。
●航空貨物専門会社として準備中のオレンジカーゴ(名古屋市資本金4億5千万円)が、国交省に航空輸送事業の認可を申請した。10月から羽田発の地方2路線を中心に拡大をめざし、中部新空港への就航も計画している。
●05年開港予定の中部国際空港と名古屋空港の機能分担をめぐり、国土交通省は、安全確保を目的に航空機の検査を行う航空機検査官を名古屋空港に残留させる方針を25日までに固めた。国交省は中部空港に新たな空港事務所を開き、名古屋空港の運営からは全面撤退するが、主な検査対象の小型機は05年以降も名古屋空港を利用する。このため、航空事業者などの利便性の観点から、機体の検査業務に限っては、引き続き名古屋空港を拠点に行うのが適当と判断した。名古屋空港に格納庫を持つ中日本航空などは、05年以降も愛知県営となる名古屋空港を拠点に小型機を運航する。
航空機検査官は、航空法に基づき、自動車の車検に当たる耐空証明検査や修理改造検査などを行う専門職。現在、名古屋空港には大阪航空局所属の7人が駐在している。
●25日午後1時20分ごろ、常滑市新開町3丁目の中部国際空港連絡鉄道の高架工事現場で、作業中の45トンづりクレーン車がバランスを崩して傾き、折れ曲がったアームの先が道路に接地した。作業員や通行人にけがはなかった。
●中部国際空港会社は25日開いた株主総会で、建設資金を調達するため総額75億2000万円の第三者割当増資を決めた。増資後の資本金総額は836億6800万円となる。
●6月定例県議会は27日、企画環境、産業労働委員会が開かれ、県側は2005年2月の中部国際空港の開港に伴う東三河からの海上アクセスルートの開設について本格的に検討する意向を示した。
東三河と中部国際空港を結ぶ海上アクセスルートについて、県側は「事業者への船体費の補助や港湾整備も含め、どうすれば実現できるか真剣に考えたい」との見解を示した。同空港への海上アクセスでは三重・津、松阪ルートが計画されているが、東三河ルートは知多半島をう回するため、三重ルートと比べ、運航時間が長いなどの欠点がある。採算性を確保するため、観光ルートとしての需要が見込まれる蒲郡港などを候補とし、地元市町村や商工会議所と協議していく。
●中部国際空港建設に伴う埋め立て工事に絡み、名古屋市港区の砂利販売会社「愛知マグマ」が名古屋国税局の税務調査を受け、2002年8月期までの3年間で計1億7000万円の所得隠しを指摘されていたことが27日までにわかった。下請け会社に発注する際、架空の外注費を計上して申告所得を圧縮したと認定されたもので、追徴税額は重加算税を含め約7000万円とみられる。同社は既に修正申告に応じている。
同社の天野直純社長は「中部国際空港の砂利や海運関係の取引で、一部経費として計上したものが認められなかったのは確かだが、国税当局との見解の相違だ」と話している。