【空港】2003.04.08-04.14の動き
●中部国際空港会社は7日、旅客ターミナルビルの商業施設内に開設を計画していた「焼物工房」について、応募業者がなかったことを明らかにした。
国際空港内に地域の特色を出そうという試みだったが、消費不況と安価な輸入品の増加に苦しむ陶磁器業界には、空港に出店する余裕がなかった。空港会社は「出店の努力は続ける」としているが、計画の一部修正を今後迫られる可能性もある。焼物工房は、空港おひざ元の常滑をはじめ、瀬戸や美濃、万古など著名な陶磁器産地が多く集まる中部地方を世界に広くPRする目的で、ターミナルビル4階の一角に約100平方メートルのスペースを確保。中部で生産された陶磁器製品の展示即売や、飲食コーナーを設ける計画だった。
地元の常滑焼製造業者団体である「とこなめ焼協同組合」(常滑市)は「初期投資、維持費とも巨額で採算が見込めない」と、今年1月の時点で出店を見送り、他の産地からも応募はなく、1月末に募集を締め切った時点で応募者がゼロだった空港会社は3月末に締め切った2次募集の応募内容を精査、近い内容のものがあれば出店を目指す。
●旅客ターミナルビルや滑走路など本体工事が進む中部国際空港で、ライフラインの敷設工事も本格化してきた。中部電力はその先陣を切る形で、7月1日から送電を始める。当面は、変電所に近接する管制塔に送電する予定。安定電力が得られることで、管制業務準備のスムーズな進行が期待できる。開港当初の使用電力見込みは2万3000キロワットと、平均的な家庭の約7000戸分に相当する。
●中部国際空港の空港島と対岸部に造成する中部臨空都市について、愛知県企業庁は24日午後2時から、名古屋市中村区名駅の名古屋マリオットアソシアホテルで、第1期土地分譲・賃貸の説明会を開く。
●春日井、小牧、豊山の2市1町でつくる「名古屋空港の活用に関する調査会」の第3回会合が9日、春日井市内のホテルで開かれ、2005年の中部国際空港開港後の名古屋空港の活用方法についての中間報告をまとめた。
中間報告では、新空港開港後の名古屋空港の役割を「新しい航空需要を開拓するための国内ローカルネットワークの中心的空港」と定義。事業収支については「5億5000万円前後でほぼ同じ」と試算している。空港周辺の振興用地約40ヘクタールは5ブロックに分け、物流施設、ショッピングセンター、展示会場、航空産業、防災基地としての開発を提言。物流施設、ショッピングセンター、展示会場については「6000人の雇用が生まれる」としている。会合ではこのほか、5月ごろに最終報告をまとめることや、「名古屋空港活用促進協議会」の拡大や、全国地域航空システム促進協議会主催のフォーラムの名古屋地区への招致活動の推進などの方針を確認した。同調査会は中間報告について「県の基本計画と違う点があるが、県は実務的な観点を重視しているのに対し、地元は比較的自由な立場から意見をまとめた結果」としている。