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【空港】2003.03.25-03.31の動き

●愛知県常滑市沖で建設が進む中部国際空港を巡り、空港島周辺部と対岸部開発の収支計画は、採算性に問題があるとして、市民団体など1274人が、愛知県企業庁長を相手取り、県費の支出差し止めを求めた住民訴訟の判決が24日、名古屋地裁であった。加藤幸雄裁判長は「採算性がないとはいえない」と述べ、行政の裁量権の範囲内として請求を棄却した。

●中部国際空港の開港日前倒しを検討していた中部国際空港会社や愛知県などは、25日の調整会議で、当初予定の2005年3月19日を約1か月繰り上げ、2月17日とすることを決めた。国内で空港の開港日が前倒しされるのは初めて。
  愛知万博が開幕する2005年3月25日と当初の開港日が近接しており、万博関係者を迎え入れるため、地元財界などから早期開港の要望が出され、調整会議で協議していた。短縮のめどが立った理由について空港会社などでは、知多横断道路の未買収地区の強制収用が認められたことや、空港本体の工期短縮の見通しがついたことなどをあげている。 開港に伴い小型機専用空港となる名古屋空港は、国からの買い取り交渉や国際線ターミナルビルの活用方法など、多くの課題が残されている。空港には4000人以上が就労しており、雇用対策なども発生、県などはより早い対応に迫られることになる。同空港の地元・豊山町の江崎定男町長は同日、「地元の力だけで解決できない。県が責任を持って対応すべき問題だ」と話した。

●中部国際空港の空港島の一部と前島に造成される「中部臨空都市」について愛知県企業庁は26日、第1期分約31・4ヘクタールを1平方メートルあたり10万円から17万円で分譲する方針を明らかにした。
  今回分譲するのは、複合商業施設などの港湾交流ゾーン(5万7300平方メートル、空港島)、流通加工業などの総合物流ゾーン(17万1800平方メートル、同)、ビジネスホテルなどの中央ゾーン(8万4850平方メートル、前島)。価格は来年度と再来年度限りの優遇価格で、希望に応じ10年から30年のリースにも応じる。

●航空機に爆発物が持ち込まれるのを防止するため、新東京国際空港公団などは、成田空港と中部国際空港にCTスキャンなど最新技術を使った爆発物検知装置(EDS)を導入することを決めた。米国や韓国などでは既に導入されており、米航空安全監視当局からの保安態勢強化の要請に応えた。羽田でも、新ターミナルオープンに合わせた導入を検討している。
  空港公団などによるとEDSはCTで荷物の中身をあらゆる角度から輪切り画像で検査。さらに物体の比重を検知し、爆発物など特定の物質を赤色などでモニターに自動表示し、警報する。価格は1台約3億円。成田空港では、改築中の南ウイング(06年度に完成)に約10台導入する予定。中部国際空港は05年の開業と同時に導入するという。現在は、チェックイン前にスーツケースなどをエックス線に通し、不審な荷物があれば係員が開けて調べる方式だが、EDS導入後は、カウンターで預けられた荷物はベルトコンベヤーで航空機に運ばれる途中でEDSで自動的にチェックされるようになる。空港関係者は「チェックイン前の混雑緩和にもつながる」と期待している。

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