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【空港】2003.03.18-03.24の動き

●常滑市と都市基盤整備公団が同市内で計画している「常滑ニュータウン」の事業関連予定地内で今月上旬、オオタカの営巣が確認されことが分かった。同市の知多農協本部で開かれた自然環境検討会で明らかにされた。見つかったのは、昨年、営巣が確認されたのと同じ営巣木。国土交通省の事業認可は4月には下りる見込みだが、市と公団は、巣立ちが終わる7月ごろまでは、工事の影響が及ぶとみられる場所では着手しない方針。
  検討会によると、先週ごろから、オオタカのつがいが巣の材料を運んでいることを確認。順調なら、来月上旬に産卵し、5月にふ化する見通しという。しかし、営巣木が貧弱な上、現場付近にはカラスが生息するなど条件が良くないため、昨年は途中で営巣に失敗している。また、予定地の北側では、中部国際空港のアクセスとなる知多横断道路の建設が進んでおり、事業主体の県道路公社も、ビデオで営巣の状況を確認しながら、慎重に工事を進めている。生息環境を整える代替措置については、常滑市内の4カ所で人工の巣を設置したり、自由に飛び回れるように間伐をしたところ、うち1カ所にオオタカが頻繁に飛来。今後、営巣行為につながる可能性が高い。

●中部国際空港開港後の名古屋空港の取り扱いに関連し、名古屋市の松原武久市長は17日の定例記者会見で、これまで市が負担してきた名古屋空港の整備費について、県に返還を求め、協議を始める考えを明らかにした。
  空港機能を維持するための整備費は、国が3分の2、地方自治体が残りを負担することになっている。名古屋空港の場合、これまで愛知県が計160億円を国に負担してきたが、このうちの65億円は名古屋市が県に支払ってきた。 名古屋空港は、中部空港開港後に小型機専用空港となる。愛知県は、すでに同空港の設置管理者となることを決めているほか、着陸帯(110ヘクタール)についても買い取る方針を表明している。整備費が国からどの程度返還されるか未定だが、県では、返還金を着陸帯の購入費と相殺したい考え。 こうしたことを受け、松原市長は「定期便が新空港に移り、県営空港になるので、負担金については、いったん清算するのが自然だ」と述べ、これまでの負担金の返還を県に求める方針を示した。 さらに、整備費とは別に、市などが出資する第3セクターの名古屋空港ビルディングについては、業務内容を関係機関と協議する考えを示した。中部空港開港後、同ビルは、テナント使用料などの激減が予想されるため、新たな店舗展開などで採算が取れない場合、清算の可能性もある。

●中部国際空港開港後、小型機空港に再整備される名古屋空港の在り方を考える愛知県の検討委員会は18日、広域防災拠点の設置などを盛り込んだ基本計画をまとめた。同県はこれを基に、具体的な空港計画を策定する。
  基本計画では、同空港で取り扱う小型機の座席数を60席以下とし、中部国際空港との住み分けを図った。そのうえで、都市近くに位置する利点を生かし、大規模災害時の避難場所や救援物資の備蓄基地とする広域防災拠点機能を備えた「都市型総合空港」とすることを目指した。 また、空港全体の管理運営を地元の民間企業に委託することを提案し、管理会社として第3セクターを設置するのも「1つの案」としている。空港の名前については、「名古屋」を残す方針で、今後、決める。 しかし、基本計画では、小型機空港の具体的な収支計画には触れられておらず、採算性のある計画づくりが今後の課題となる。

●中部国際空港の臨空都市開発を進めている愛知県企業庁は臨空都市などでの用地販売を促進するため、1万社の企業情報を一元的に管理できる新しいデータシステムを開発、新年度から運用を始める。
  臨空都市の造成事業を担当する新空港関連事業部を2004年度で廃止し、新年度、「用地部」から名称が変更される「企業立地部」に吸収し、臨空都市など企業庁用地への一体となった企業誘致を図る。新システムは業種、所在地など誘致を図る企業の基本情報はもちろん、企業側の希望条件や交渉状況をデータベースで管理できる。職員が情報を共有することで、企業訪問などを効率化する。担当職員が異動した場合でも、スムーズに業務の引き継ぎができる。昨年11月からデータの収集を進めており、既に4000社分を蓄積した。最終的に1万社のデータベース化を目指す。
  空港島と対岸部の前島地区で造成中の臨空都市については来月から第1期の分譲が始まるが、不況が続く中、苦戦が予想されている。村瀬良久企業庁長は「これからは殿様商売では生き残れない。職員すべてがセールスマンとなり企業誘致を進めたい」と話している。

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