【空港】2002.12.17-12.23の動き
●常滑市沖で建設中の中部国際空港内で、旅客ターミナルビル4階の商業テナントのうち、来月から募集する店舗の初の説明会が16日、同市内で開かれた。
説明会は、経済団体・同空港支援協会が主催。同協会と常滑商議所の会員企業約90社、約140人が出席した。空港会社の米本靖英・営業企画グループ課長が食品を販売する「中部フードマート」の9店舗と、「焼物工房」の一店舗の募集概要について説明した。米本課長は「隠れた名品や、(空港会社側の)想像とは全く違う提案を期待している」と新しいアイデアの出店を募っている。
17日は東海商議所、19日には半田商議所でも、地元の要望で説明会が開かれた。
●中部国際空港会社の顧問会議が18日、名古屋市中村区の同社であり、2005年の開港後の採算性について会社側から「非常に厳しい」との見方が示された。
会議には愛知、岐阜、三重の各県知事と名古屋市長、経済団体の代表者が出席。山下邦勝副社長が「関空と比べ、事業費は半分だが、需要も半分。環境対策などのコストも大きく、採算性について楽観できる状況ではない」と報告した。収入のメーンとなる着陸料については「関西空港並みでは航空会社を誘致できない」とし、関西空港より低く抑える考えを明らかにした。今後、収入増を図るため、積極的なエアポートセールスや、愛知万博と連携したPR策の展開などに取り組む。平野幸久社長からは「(航空需要を引き継ぐ)名古屋空港の活性化を図ってほしい」との要望も出された。
●国土利用計画審議会が18日、名古屋市内で開かれ、常滑市で埋め立て中の中部国際空港の一部と前島地区の計230ヘクタールについて「水面」から「都市地域」に変更する案を了承し、県知事に答申した。空港島が土地として正式に認められたのは初めて。今後、都市計画法に基づき地目などを決定する。
●中部国際空港開港後の名古屋空港の運営問題で、愛知県が滑走路を含む空港用地「着陸帯」(約110ヘクタール)の5割の買い取りを国に打診していることが18日分かった。県は既に着陸帯を購入する意向を6月県議会で示しているが、具体的な取得割合を打ち出したのは初めて。ただ、国は県の方針に難色を示しており、協議は暗礁に乗り上げている。
関係者によると、県は着陸帯の中央に位置する滑走路の中心線を基準に折半する形で50%取得する方針を示した。
これに対し、防衛庁は残り5割の買い取りを拒否、国土交通省は県がすべてを買い取ることを条件に一時的に貸し出す方針を示したため、折り合わなかった。すべてを買い取る場合、取得価格は約100億円に上るとみられる。財政難に悩む県は、取得費を極力抑えたいだけに国との交渉は今後も難航するとみられる。
現在の名古屋空港は、国交省が管理しているが、05年に中部国際空港が開港した後は県営に移行する。県は着陸帯を国交省から無償譲渡するようもくろんでいたが、国側に拒否されたため、今年6月に有償取得の姿勢に転じた。
●20日内示された2003年度予算の財務省原案で、中部地方では中部国際空港や愛知万博の大型プロジェクトのほか、大型しゅんせつ・油回収船の新造や、名古屋市の地下鉄六号線事業などが認められた。脱ダムの流れが全国に広がる中、岐阜県の徳山ダムや愛知県の設楽ダムには順調に予算が配分された。
2005年の開港に伴い、空港島内に整備される麻薬探知犬管理センターの設計、工事費6億5000万円が認められた。不正薬物の摘発のため、麻薬探知犬の管理、訓練を実施する。税関や動植物検疫を行う官庁が入る合同庁舎の建設費27億3000万円も盛り込まれた。空港会社の事業費は12月補正を含め、1511億円を確保。管制塔工事費など国の直轄事業費175億円と合わせ、要求した1331億円を大きく上回る1686億円が配分された。