【空港】2002.11.05-11.11の動き
●国内の航空貨物輸送を専門としたベンチャー企業、「オレンジカーゴ」(名古屋市中区、石田泰正社長)が誕生した。小口貨物を対象に、まず羽田−長崎、鹿児島間で来年10月の開業を見込む。2005年開業予定の中部国際空港参入を目指しており、同空港を軸に、離島や地方空港を結ぶ航空物流網を形成する。
中部国際空港の参入に向けて、オレンジカーゴは、800平方メートルの貨物上屋の建設も中部国際空港会社(名古屋市)へ既に申請。石田社長は「将来的には、中部国際空港をハブ(拠点)空港に、海外と国内地方空港を結ぶ物流網をつくりたい」と話している。
●新空港の開港後、県は維持管理費として必要な年間6億円の内、4〜5億円の負担を防衛庁に要求していることが、7日にわかった。防衛庁は着陸料として2〜3億円の支払いを想定している。隔たりは大きく調整は難航予想される。名古屋空港の着陸料は年間7千万円の見込み。
●2005年の中部国際空港開港後の名古屋空港(豊山町)の活用について、空港周辺自治体などの呼び掛けで愛知、岐阜両県の自治体や商工会議所、商工会が加わっての「名古屋空港活用促進協議会」(仮称)が発足することになった。第1回会合は11月29日、同空港国際線ロビービルで開催が予定されている。
名古屋空港周辺の同春日井、小牧、豊山の2市1町は「名古屋空港の活用に関する調査会」を今年10月に発足させ、(1)小型機拠点空港(GA)の将来的な在り方(2)防災拠点化などへの具体的な提言(3)それらを受けた地域振興方策の具体化、を3本柱を方針に、対策の検討を始めた。
今回の促進協の立ち上げは「2市1町にとどまらず広範囲に呼び掛け、名空港の利用や活用を考えていこう」との狙い。鵜飼一郎春日井市長、中野直輝小牧市長、江崎定男豊山町長や地元経済界の代表者らが設立発起人となり、尾張全域の全自治体のほか知多、海部、三河地域の広域行政圏の幹事市、岐阜県の東濃、中濃、西濃、岐阜地域の広域行政圏の幹事市はじめ商工会議所や商工会に参加を呼び掛けている。
●県は8日、2005年開港の中部国際空港と知多地域の整備計画の指針となる「中部国際空港周辺地域整備ビジョン」をまとめた。知名度向上のためのプロモーション展開などソフト面対策をふんだんに盛り込み、産業や環境、国際交流など各分野が一体となった質の高い整備をうたう。目標年度は2010年。
新空港を成田空港、関西空港とともに国内航空ネットワークの拠点空港と位置づけ、空港と連携した魅力ある地域づくりを提唱。国際交流拠点としての空港と知多地域が持つ魅力を融合させる。このため、各種媒体を利用して積極的に地域の魅力をアピール。国内外へ情報発信を続け、外国企業も含めた企業誘致や観光客の増加につなげる。海洋性レクリエーション機能の充実や環境保全、地場産業の育成など地域の魅力そのものの向上にも力を注ぐ。このほか、アクセス道路となる広域幹線道路、鉄道、バス路線の整備や高度道路交通システム(ITS)の導入で交通基盤を整えるほか、名古屋、衣浦、常滑各港の整備などハード面での充実を図る。産業面では国際交流エリアとして新しい都市型集客産業や先端産業を育成。国の動向を踏まえ、知多地域の特性を生かした特区構想についても検討を続ける。