【空港】2002.10.29-11.04の動き
●中部国際空港へのアクセス道路となる知多横断道路をめぐり、愛知県常滑市内で一部地権者が環境悪化などを理由に用地買収を拒否している問題で、同県収用委員会の第1回審理が29日午前、名古屋市で開かれた。
対象の土地は、常滑市森西町の宅地94平方メートル。「知多横断道路に反対する土地トラストの会」(庭瀬健太郎代表)の会員13人が共有している。この日県側は「地権者と十分に話し合ってきたが理解が得られなかった」と申請理由を説明。トラストの会側は「買収単価が提示され、ようやく話し合いが始まった矢先の裁決申請だった」など県の姿勢を批判した。
●2005年の中部国際空港(常滑沖)開港に向け、県や空港会社など関係事業体の連絡調整会議が29日、県庁内で開かれ、開港日の前倒しについて意見を交換した。
同空港の開港日については今年9月の調整会議で現在の「3月19日」から1カ月をめどに前倒しする方向で検討することが申し合われた。航空情報を国内外に公表する航空路誌(AIP)の発行に合わせ「2月17日」が有力視されている。この日の会議では、各事業体から前倒しによる事業への影響について報告があった。県からはアクセス道路となる知多横断道路の用地買収が終了していないことなどから「現時点では(前倒しの是非を)判断できない」との意見が出され、引き続き、各事業体で調整を進めることを確認した。
●2005年に開港する中部国際空港へのアクセス鉄道を運行する名鉄は31日、最新のシステムを導入した専用車両を使い、名古屋から空港駅(仮称)まで最短28分台で結ぶ計画を発表した。
名古屋から空港島対岸の常滑まではカーブが多いため、新車両33両には、空気バネの調節で車体を傾かせ、カーブを曲がりやすくする「車体傾斜制御機能」を搭載する。このシステムは私鉄では全国で初めての導入で、新造費は約60億5000万円という。計画では、空港駅まで、日中は1時間あたり特急3本、急行3本の計6本を運行。特急は、新名古屋―空港駅間(39・3キロ)を28分台で結ぶ。また、JRや地下鉄などの名古屋駅に隣接する新名古屋駅の名称についても、有識者などから「JR新横浜駅のように中心部から離れているイメージがある」との意見が出ていることから、空港駅の開業に合わせて、「新」を取る方向で検討する。