【空港】2002.09.17-09.23の動き
●交通政策審議会(国土交通相の諮問機関)の航空分科会空港整備部会は17日、新東京国際空港(成田)、関西国際空港、中部国際空港の民営化案について、8月の中間報告に盛り込んだ「上下分離方式」への賛否を中心に関係団体から意見聴取した。国内航空会社で組織する定期航空協会(会長=大橋洋治・全日本空輸社長)は、「関空の二期工事の負担のため、成田の着陸料が高止まりする」と改めて反対を表明し、成田空港単独の民営化を主張した。このほか、成田と中部国際空港の関係自治体や地元財界からも反対意見が相次いでおり、国交省は上下分離方式の見直しを含めた民営化案の再検討を始める方針。
●中部国際空港の空港島の一部と対岸部(前島)に造成される「中部臨空都市」について、愛知県企業庁は17日、第1期分約30・8ヘクタールを1平方メートルあたり11万円から17万円で分譲する方針を明らかにした。来年度と再来年度限りの優遇価格で、企業庁では「周辺の常滑市街地の地価(1平方メートル約18万円)に太刀打ちできる値段に設定した」としている。県企業庁では、中部臨空都市として開発した計230ヘクタールのうち、157ヘクタールを民間などに販売する。今回はこのうち、複合商業施設などの港湾交流ゾーン(空港島)、流通加工業などの総合物流ゾーン(同)、ビジネスホテルなどの中央ゾーン(対岸部)を分譲する。分譲地には10年から30年間でのリース制度も導入する。処分とリースの割合は今後詰める。
●空港開港を控え、関空の「りんくうタウン」の経験から、常滑市などの空港周辺地域の地価動向に注目された。現状は県内平均変動率と大差はない。「空港周辺地域がどれだけ賑うかがカギ」と不動産鑑定士はのべている。
●空港アクセスの一つとして、昨年春から本格工事で04年開通をめざす第三セクター鉄道「西名古屋港線」黄金駅の工事が、笹島周辺の開発の遅れで利用者を見込めず、JRとの思惑も違い、着手出来ない。建設を危ぶむ声もうまれている。
●県と空港会社は、新国際空港の開港を05年2月中旬に前倒しすることを軸に調整している。しかし、道路・電気など関連施設の整備の調査を進め、足並みを揃えられるか予断を許さない状況、10月調整会議で各関連会社が見通し報告予定している。
●常滑市沖で建設中の中部国際空港に作業員や資材をフェリーで運ぶための輸送基地が、知多市の名古屋港南5区に完成し20日、報道陣に公開された。
同空港の建設現場で働く作業員は現在、空港島と対岸部を結ぶ連絡橋を使って移動しており、鉄骨や工事用車両などは三重県の四日市港から海上輸送されている。輸送基地は、常滑市中心部の渋滞緩和と大量輸送を図るため、新たな輸送手段として整備された。作業員と資材を運ぶフェリー2隻が1日8往復、資材専用の台船が3往復する。24日から資材の輸送が始まり、作業員の輸送開始は10月7日から。建設作業がピークとなる2004年には、フェリーで約2400人の作業員が移動する計画という。