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【空港】2002.08.27-09.02の動き

●中部国際空港会社は27日、新空港の貨物ターミナル地区の計画概要を発表した。施設が狭く、トラックの待ち時間が数時間にも及ぶ名古屋空港の問題点を解消するため、同空港の4倍の16ヘクタールの敷地を確保し、施設の延べ床面積も2倍強の約70000平方メートルとする。荷物取り扱いの迅速化やコスト削減を狙い国際貨物と国内貨物のターミナルを一体化。関西空港や名古屋空港では、両ターミナルは別々に設置しているが、一体化することにより国際便で輸入した貨物を国内便に積み替えて運ぶ作業が簡単になるなどのメリットがある。来年秋に着工し、2005年3月の開港に間に合わせる。
 同地区は旅客ターミナルビルの北側に配置する。名古屋空港は国内・国際貨物を合わせて、年間16万トンの貨物取り扱いがあり、施設の能力が限界にきているのに対し、新空港は36万トンの取り扱い能力を持たせる。施設の「間口」は約600メートルと長くとり、航空機と施設間の貨物の積み降ろしがスムーズにできるようにする。輸出と輸入の貨物を分離して取り扱っている成田や関西国際空港とは異なり、作業効率を高めるために輸出入貨物を同一場所で取り扱う施設とした。空港会社は、国際貨物に関係するエリア全体を総合保税地域としたい考え。地域指定を受ければ、関税がかからない保税倉庫、保税工場などが業者の個別申請なしで設置できる。航空貨物で海外から運んだ原材料を保税工場で加工・製品化し、通関手続きを経ずに海外に輸出することも可能になる。

●春日井市・小牧市・豊山町は、名古屋空港の活用策や地域振興策を共同で調査研究する「名古屋空港活用調査会」を設置する。集中的に作業を進め年度内に結果をまとめて公表予定。県や経済界の議論のたたき台をめざす。

●国交省中部整備局は、新空港の通関業務を行う名古屋税関などが入居する中部空港合同庁舎の建設に着手する。鉄骨4階建てで空港島貨物地区に建てられ、空港税関や検疫所関係支所が入所し、輸出入貨物の通関業務を集約処理する。

●特定地域で規制緩和を先行実施し、経済活性化を図る政府の構造改革特区構想について、愛知県は29日、中部国際空港周辺と名古屋港などでの経済特区や、名古屋市内での教育特区の設置などを提案した。政府は、特区制度を整備するため、全国の各自治体に、特区の具体案を今月末までに提案するよう求めていた。
愛知県によると、中部空港周辺では、関税や検疫、出入国管理の24時間化と手数料引き下げなど国際的な交流拠点の整備を目指す。また、教育特区では、学校ごとの枠を超えた特別クラスを編成して高度な授業を実施し、必要な時期に高校の卒業資格を与えるなどして教育の活性化を図る。このほか、三河港に「国際自動車特区」を設置して、同港の国際競争力を高めるほか、知多半島の「都市農村共生特区」では農地の権利移動に関する規制を緩和し、生産力の向上や新たな雇用を生み出すとしている。愛知県ではこれらのアイデアをたたき台にして、県の推進懇談会で今年中に具体的な基本方針をまとめる。

●中部国際空港開港に伴い、定期路線が移る名古屋空港の地元・愛知県豊山町の税収などの収入減が、最大で年間約20億円に達することが29日、同町の試算でわかった。今年度の一般会計約66億8500万円の約3割に当たるが、空港に代わる新たな財源のメドは立っておらず、同町が職員定数の削減などを迫られる可能性も出ている。
中部国際空港の開港後は、地域経済の規模が小さいことや乗り継ぎの利便性から、名古屋空港の定期路線は新空港に移ることが決まっている。愛知県では、名古屋空港を小型機専用空港として活用する考えだが、現在、空港内に100近くある航空会社や関連会社、国の出先機関などの大半は新空港に移るか廃業するとみられる。このため、空港関連収入に大きく依存した街づくりを進めてきた豊山町は、「すべての事業所が移転した場合」を想定して収入に及ぼす影響を試算。この結果、減収は固定資産税7億円、町民税1億7000万円、航空機燃料譲与税1億5000万円、国や県からの補助金6億5000万円など計20億円に達することがわかった。
豊山町は、標準的な行政活動に必要な支出に対する税収入の割合を示す財政力指数が今年度1・556で、県内トップクラスの「裕福自治体」。同町では、「試算は極端なケースを想定したものだが、いずれにせよ大打撃になることは間違いない。予算規模に合った職員定数の見直しも必要になるかもしれない」としている。

●成田空港の運用状況などを監視する第三者機関「成田空港地域共生委員会」視察団が、美浜町を訪問し空港と周辺地域の共存共栄について意見交換する。山本代表は「成田開港25年だが、周辺地域の活性化に結びついていない」と話した。

●空港会社と県は、空港建設工事事業が環境に及ぼす影響を、大気・振動・騒音など、8項目で調査した01年度環境監視結果を発表した。水質で水産用基準を上回る濁りが認められた以外は、影響無しとのこと。

●中部国際空港会社は10月1日から、2005年春の開港に向けて常滑市沖で建設が進む空港島で、希望者に現場案内を始める。

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