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【空港】2002.07.16-07.21の動き

●中部国際空港の旅客ターミナルビルに、国内の空港では初めて、航空機の離着陸が眺望できる「マルチリラクセーション施設」(仮称)が設けられる。展望浴場などが備えられ、乗り継ぎ客らに長旅の疲れを癒やしてもらう。
 展望浴場のほか、サウナ、マッサージ、出発前に身だしなみを整えるための理容・美容室、エステ、つめの手入れをするネールケアコーナーも備えられた施設で、旅客ターミナルビル4階のレストランや商業施設、多目的広場「センタープラザ」、展望デッキなどが並ぶ一角に設けられる。展望浴場の滑走路側は全面ガラス張りにする予定で、離着陸や伊勢湾の眺めを楽しむことができる。空港会社は、乗り継ぎ客や出発前の客を主な客層に見込んでいるが、送迎客など、誰でも利用できることから「商業施設とともに、集客の目玉の一つにもなる」と期待。利用料については「使いやすい価格にしないと。何千円も、というわけにはいかない」としており、手ごろに使える見込み。

●17日に、中部国際空港が開港する2005年3月まで1000日を切ったのを機に、常滑市新開町の空港安全連絡協議会共用棟で、工事にかかわる64の共同企業体代表者らが一堂に会して、初の安全大会が開かれた。当初は、工事関係者ほぼ全員の1800人が工事を中断して参加し、空港島で行う予定だったが、荒天で100人規模に縮小した。
半田労働基準監督署によると、昨年8月から今年6月末まで、空港関連工事の労災事故で2人が死亡、35人が負傷した。座礁など作業船の事故も18件あった。

●名古屋空港の着陸帯(滑走路と誘導路110ヘクタール)を、国が愛知県に買い取るよう求めていた問題で、国土交通省は17日までに、国が所有する着陸帯の8割(約80億円相当)を、事実上、無償で譲渡する方針を固めた。県が負担してきた空港整備費の半分を現物で返還するという名目だ。残り2割の取り扱いは未定だが、県は大きな負担を免れる見通しとなった。これにより、国から愛知県への移管問題はほぼ決着した。
名古屋空港は、新空港開港後、小型機専用空港として再スタートする計画で、神田真秋知事は今年の2月議会で、県が管理主体となる方針を表明した。6月議会では、「買い取り価格が条件だ」としながらも、着陸帯の取得方針も明らかにした。これに対し、国交省は「管理者になるなら、着陸帯の半分以上を買い取ってもらいたい」と県に迫っていた。着陸帯の地価については、かつて住宅地並みの「約600億円」との試算もあったため、財政の苦しい愛知県は、買い取りに難色を示してきた。その後、再度、地価を鑑定した結果、着陸帯の評価額は約100億円とされた。一方、空港整備法では、国管理の空港を国が手放した場合、地元自治体が支出してきた負担金を「返還できる」と定めているため、県がさらに交渉したところ、国交省は、県が過去に負担した空港整備費約165億円のうち、約80億円を返還する方針を示した。実際には、着陸帯の約8割を現物で譲渡する方法を選んだ。着陸帯の残る2割は、今後、国交省や財務省、防衛庁と詰める。また、名古屋市は空港整備費の地元負担分の4割を分担しており、近く県と協議に入る。

●中部国際空港の空港島に、関税がかからない「総合保税地域」の設置が検討されていることが分かった。愛知県の申し入れを受け、財務省が法改正も含め、協議を始めた。指定されれば、税金を支払わずに輸入貨物を長期保管できる保税蔵置場が持てるほか、複数の国から輸入した部品を空港島で組み立て、完成品を輸出することもできる。国内では横浜、大阪港など四カ所の港湾内に設けられているが、空港関係では例がない。
愛知県は空港の貨物取扱量の増加や、空港島での臨空型産業育成につなげるため、総合保税地域の設置を要望していた。「精密部品を扱う情報技術(IT)産業などでメリットが大きい」(県企業庁)という。ただ、指定のためには空港管理者が一つの地方公共団体から10%以上の出資を受けていることが条件。愛知県の中部国際空港会社への出資率は5・85%で、実現には関税法などの法改正が必要なため、財務省で検討を始めた。県側も指定に向け、県企業庁と空港会社の貨物地区を一カ所に統合するなど態勢づくりに向け、調整を進めている。

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