【空港】2002.05.07-05.13の動き
●中部国際空港アクセスとなる知多横断道路の用地問題について、愛知県の神田真秋知事は7日の定例会見で、「最悪の場合、強制収用を念頭に事業を進めていかなければならない」と語り、難航している一部用地の取得について、改めて強い態度で臨むことを強調した。
神田知事は、「基本的には、これからも買収について理解してもらうよう努力する」としたうえで、「今後の日程や、これまで買収に応じてくれた地権者の気持ちなどを総合して考えると、収用を念頭に置いておくべきだ」と強調した。県は知多横断道路の予定地をすでに9割以上買収しているが、一部は地権者の強い反対で難航している。2005年3月の空港開港までに道路を完成させるには、今年度中の全面着工が必要とされている。
●常滑市の「常滑地区ニュータウン整備事業」の開発区域付近でオオタカの営巣が見つかった問題で、専門家による「自然環境検討会」の初会合が8日、名古屋市内であった。委員からは「オオタカの生息地の代替地を探したり、生息可能な自然環境を回復したりするなど、実効的な保護策を検討すべきだ」などの意見が出た。検討会の伊藤達雄座長(名古屋産業大学学長)は「オオタカ保護策の確立が先。今年度中の本格着工を『いい』とは言えない」と早期着工に否定的な考えを示した。検討会は、今夏をめどに複数のオオタカ保護案を盛り込んだ中間まとめを策定する。
●常滑市沖の中部国際空港島で、旅客ターミナルビルなどへ電気や温水を供給するプラント建設に先立ち、9日、工事の安全祈願祭が行われた。工事は今月中にスタートし、開港半年前の2004年10月の完成を目指す。同社は、空港会社を筆頭株主に、中電や東邦ガス、トヨタ自動車が出資、2000年9月に設立された。
●関空の開港で廃港予定だった大阪国際空港(伊丹)が利便性のよさから再認識され、4月からジェット増便で伊丹から成田経由で外国への客が増えた。今年7月の周辺自治体でつくる騒音対策協議会で池田市長が国際線復活の提案する方針。
●2年前まで名古屋港巡りに活躍していた、しゃちほこをかたどった遊覧船「金鯱」が、中部国際空港の建設現場で働く作業員の送迎輸送船として再デビューすることになり、11日に常滑市の常滑港へ入った。13日朝から、現場との間で運航を始める。