【空港】2002.1.22-1.28の動き
●05年の中部国際空港開港後の名古屋空港の利用構想について、神田真秋知事は21日の記者会見で、今年度中に具体策をまとめるのは難しいとの見通しを示した。地元の春日井、小牧両市長は、県が3月末までに具体策を示さない場合、豊山町を含めた3市町で独自に利用方法を検討するとしており、今後、県と地元自治体との溝が深まることも予想される。
名古屋空港の地元自治体が、滑走路用地の管理や飛行場管制を国土交通省から防衛庁に移管させる案に反対していることについて、神田知事は「地元の意向は聞いているが、国との調整にはまだ時間が必要だ」と述べ、県としての考えは明示しなかった。県が滑走路用地を取得することについては、財政上困難なことから、「(県は)つらい立場だ」と語った。
●中部国際空港の建設事業で、旅客ターミナルビルの本格着工となる基礎杭打ち工事が22日、愛知県常滑市沖の空港島内で始まった。漁漁補償の遅れから一時はメーン施設の同ビル建設の遅れが懸念されていたが、ビル周辺を集中的に埋め立てて、ほかの施設に先行する形で着工にこぎつけた。今後、急ピッチで行われている空港島の埋め立て工事と並行して作業し、2004年9月末の完成を目指す。
この日午前10時から、国際線ウイングの南端部分となる地区で、作業員約10人が専用重機を使って、1本目のコンクリート製杭(長さ14メートル、直径80センチ)を2時間ほどかけて硬い岩盤に届くまで打ち込んだ。杭は、ビル本館や国際、国内線ウイングなどの建物の基礎を支えるため、6月ごろまでに約3000本を打ち込む予定。
●常滑市内の名鉄常滑線榎戸―常滑駅間(1・8キロ)が、高架化事業で運休するのに伴い、きょう26日からバスの代行輸送が始まる。中部国際空港へのアクセス鉄道に常滑線をつなげる工事で、電車を利用する市民らは2年間、不便を強いられる。
高架化の事業主体は、地元の常滑市と県、同空港連絡鉄道。榎戸駅南から常滑駅までの1・5キロを高架化する。バスの代行輸送のため、無人駅だった榎戸駅に駅舎を建設したほか、バス乗降場や利用者のための無料駐車場(約150台分)も整備するなど、利便を図った。また、時間帯に応じて低床式バス(40人乗り)を走らせる。本格的な代行輸送は週明けの28日からとなる。
●名古屋空港周辺の春日井市や小牧市で活動する市民団体のメンバーらが27日、「自衛隊基地強化反対、名古屋空港存続を求める会」の結成総会を春日井市内で開いた。
日本共産党の林信敏県議が講演し、「このまま中部国際空港への一元化が進めば、必然的に航空自衛隊小牧基地が名古屋空港の後利用の中心になる」と強調。国土交通省の管理下で名古屋空港の定期路線を存続させ、小牧基地の機能強化に反対していくことで一致し、署名集めや集会の開催に取り組むことを決めた。