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【03.02.22】「福祉水準向上させるのが自治体本来の役割です」愛知県社保協顧問 大島良満さんが語る
2月22日「しんぶん赤旗」
守ろう誇れる名古屋の福祉 お金の使い方変えて
名古屋市が新年度予算案で、多くのお年寄りの医療費を無料にしてきた福祉給付金の大改悪を打ち出しました。すでに決まっている国民健康保険世帯主の医療費3割負担への改悪(4月から実施。同市は現行2割負担)に続き”福祉日本一”といわれた名古屋の福祉が大ピンチです。再来年度には敬老パスの見直しも言われています。かつての革新市政の時代から、当時の愛労評常任幹事として、1974年から89年まで長く愛知県社会保障推進協議会事務局長をつとめた大島良満さん(67)=現同協議会顧問=に、この問題について語ってもらいました。
借金ふやした大型開発失敗
市民が誇りにしてきた福祉制度――「福祉給付金(医療無料制度)」「敬老パス」「国保世帯主の2割負担」は、市民の大きな運動でつくってきた制度です。当時でも、予算が余っているから実現したわけではありません。大きな運動があり、最初は少数の声だったんですが、次第に多数の声になり実現していったのです。当時は自民党の幹部の人でも、話しあっていくと私たちの主張も一理あると認める懐の広さがありました。
名古屋の福祉がなぜ”日本一”ではいけないんですか。他の政令市と横並びでなければいけないんですか。そんな理屈はおかしいですね。最高水準を目指して頑張ろうというのが本来の行政のあり方ではないですか。それがないのは、リーダーシップに欠けた政治です。名古屋市の福祉が突出しているのではなく、これが当たり前であり、もっとよくしていくべきものではないですか。
福祉予算が突出しているなどという宣伝もあります。何に対して突出しているかです。私たちから見れば愛知万博や中部国際空港への支出は聖域化し、都市再開発など失敗しているでしょう。それが積み重なってばく大な借金をつくっているんです。こういうことはやめなければ。お金の使い方を変えるべきです。
暗い老後では希望もてない
昨年秋からの医療改悪で、私の知人でも医療費節約のため、1日3回服用の薬を2回にしている人がいます。高齢者にはみんななります。暗い老後では希望の持てる社会にはなりません。お年寄りが元気で街に出れば、商店街などへの活性化につながります。共稼ぎなどの若い夫婦の子育てでも、おばあちゃん、おじいちゃんが元気なら随分助かるんです。
「あかんことはあかんよ」と、みんなでいいましょう。一人の力は弱いが仲間を広げ行動していきましょう。