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【02.12.05】名古屋ホームレス用シェルター 黒田議員が改善要求 3食提供や暖房も
2002年12月5日 「しんぶん赤旗」
寒さが一段ときびしくなる中、名古屋市では市の調査でも千七百人(五月)はいるというホームレスの人たちがつらい思いをしています。十一月二十七日の市議会で日本共産党の黒田二郎市議は、ホームレスの人たちの支援のために現場で仕事をしている職員の意見も聞いて具体的な自立支援対策を推進するべきだと迫りました。(愛知県・板橋幸男記者)
「空き部屋あるなら希望する人入れて」
中区の白川公園前の高速道路高架下。市が設置したプレハブづくりの緊急一時宿泊施設(シェルター)があります(写真)。同公園と周辺に約二百人のホームレスの人たちが暮らしており、その人たちの入居を目的につくったものです。しかし、十月二十四日にオープンして一カ月余になるのに、入居者は、定員百五十人にたいし五十九人(質問時)。
黒田市議は、みずからの調査にもとづいて、多くの人が六カ月間のシェルターの入居期間終了後の住居や仕事の確保に不安を持ち、シェルターでの生活にも魅力を感じていないことを指摘。すぐできることとして「現在一食しか提供しない食事を三食提供に」「健康回復をはかる施設なら暖房を入れるべき」とただしました。さらに、「シェルターオープン後十五人が入所をさせてほしいと直接訪ねてきているが、対象地区の人ではないと断わっている。木枯らしのように冷たい仕打ちではないか」と、対応の改善を強く求めました。
市側は「シェルターの目的は、ホームレスの人たちの健康回復、自立の動機付けと、白川公園の適正利用を図ること。対象地区以外の人は社会福祉事務所で対応する」などと答えるにとどまりました。
石油ストーブさっそく搬入
質問翌日の二十八日、シェルターを訪ねました。
黒田市議が取り上げ、市側も「一定の配慮が必要」と答弁した暖房問題では早速、石油ストーブが搬入されていました。今月から使うといいます。
空き部屋はいっぱいというのに、まわりの路上では、テント小屋もなく、ふとんにくるまって寒さをしのいでいる人が何人もいました。
白川公園では、テント小屋の撤去がすすみ、その後には、「小屋がけ禁止」と書いた立て札とロープを張りめぐらしていました。
同所のテント小屋に住む男性(55)は「人道的、人間的に考えれば、小屋のあるおれたちより、まず路上で暮らしている人たちこそ先に助けるべきではないのか」と語っていました。