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【02.10.27】地方政治に“活”――日本共産党愛知県議団 不況で苦しむ県民と運動 万博・空港より暮らしを

2002年10月27日 「しんぶん赤旗」

 愛知万博(二〇〇五年日本国際博覧会)と中部国際空港の推進――神田・愛知県政は、自民、民主、公明のオール与党体制に乗って大規模開発優先のレールの上を突き進んでいます。日本共産党県議団は、県民の福祉や暮らしを守る県政への転換を主張。議会内では、現在オール与党議席百二対日本共産党議席三という力関係ですが、県民と力を合わせた運動と鋭い論戦で、多くの成果をあげてきました。

 林信敏党県議「海外八百万人、国内千二百万人という二〇二五年の旅客予測数値を出しているが、バックデータはないのか」

 県側「――その基礎的データ等の記録は入手していない。

環境破壊など議会で追及

 昨年七月の県議会中部国際空港調査特別委員会の論戦のひとこまです。需要予測の根拠も示さない県側。空港の見通しの不透明さを浮き彫りにしました。党県議団は、万博、空港問題は、関連事業を含め、環境破壊、採算性、財政負担など、毎議会欠かさず追及してきました。

 万博会場計画とセットですすめられた海上(かいしょ)の森の開発計画=「新住宅市街地開発計画」の断念(二〇〇〇年四月)。中部国際空港埋め立て造成のための幡豆町の山林からの土砂採取計画中止(二〇〇一年一月)。この間県民は、いったんきまったら動かないように見えていた大型公共事業を見直させる画期的な事態をつくってきました。三十一万を集めた万博開催の是非を問う住民投票条例制定を求める署名運動(二〇〇〇年三月〜五月)、幡豆の山林の保安林解除に反対する異議申し立て運動など、県民の大きなたたかいがありました。

<写真>愛知万博会場起工式で抗議行動をくり広げる人たち。万博中止を求める県民の粘り強い活動が続いています=17日、愛知県長久手町・青少年公園前

 小泉首相も迎えておこなわれた十七日の愛知万博会場建設の起工式。幅広い市民団体の人たちによる抗議行動の輪の中に、党県議団の堀一県議の姿がありました。党県議団は、議会内で愛知万博、中部国際空港の中止を求める唯一の政党として、県民のたたかいと共同し、活動の先頭に立ってきました。

県民生活は悪化の一途

 大型開発優先の県政は財政危機を深刻化させ、借金(県債残高)は、ついに四兆円突破(今年度当初予算)。犠牲になるのは不況で苦しむ県民です。

 今年二月の定例議会で、林県議は追及しました。「いま県民生活は悪化の一途をたどっています。万博をやってる時代か。名古屋空港があるのになぜ新空港か――県民の暮らしから出てくる率直な気持ちです」

 こうした中、いったんきめた二〇〇〇年八月からの福祉医療(乳幼児医療や障害者医療など)への一部負担金導入は、ほとんどの自治体の抵抗でストップ。民間社会福祉施設運営費補助金など福祉の補助金30%カット方針も、障害者団体などと力を合わせ、15%カットに押しとどめています。

 名古屋市内中村区のやまびこ共同作業所長の松原伸二さん(39)=きょうされん愛知支部役員=は「補助金カットが浮上してから毎年何回も県庁前で座り込みをせざるを得なくなりました。私たちの請願を審議した九月県議会の委員会を傍聴した家族からは、共産党のきしの知子県議は賛成の立場から真剣に発言しているのに、他党議員は雑談していたと、怒りの声も上がっていました」といいます。

 党県議団は前回選で四議席を獲得しましたが、田中久幸さん(名古屋市港区)が辞職したため、現在、きしの(一宮市・葉栗郡)、林(名古屋市南区)、堀(同千種区)の三氏。次回選挙では、現職三氏の議席を死守し、全常任委員会への参加ができる八議席以上の獲得を目指し奮闘しています。(愛知県・板橋幸男記者)


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