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【02.05.25】ヘルパーさんが労組つくった
2002年5月25日 「しんぶん赤旗」
名古屋市の社会福祉協議会などで働くヘルパーさんたちがこのほど、なごや介護福祉労働組合を結成しました。「ひとりで悩まず、言いたいことを言いあって、労働条件もよくしていきたい」と元気いっぱいです。(愛知県・北田幸宏記者)
<写真>なごや福祉労働組合の仲間。左から2人目が吉岡鎮枝委員長
しゃべり場で思いのたけ 専門性みがき、労働条件改善したい
組合には社協の登録ヘルパーや嘱託のケアヘルパー、ケアマネージャー、民間のヘルパー、特別養護老人ホームの看護師、パートの寮母など、雇用形態も、職種も、職場も違う様々な人たち42人が参加しています。4月の結成総会に続き、今月18日には名古屋市内で「しゃべり場交流会」を開き、ふだん思っていることや不満を出し合いました。未組合員も参加しました。
社協のケアヘルパーのAさんは「私たちは現場へいくために雇われたはずなのに、苦手な事務ばかり。お年寄りと接していないと元気が出ないわ」とこぼします。
名古屋市近郊のある市の民間事業所で働く非組合員のBさんの話に、ほかの参加者もびっくり。「利用者宅への直行直帰の繰り返しで事業所へは週に一回ぐらいしか行かない。他のヘルパーさんとの交流がほとんどないの。多い日は75キロも移動するけれど移動は介護時間に入らないでしょ。往復1時間半かけて移動して30分の介護をすることもあるわ」
交流会の終わりにBさんは「自分たちの働き方が当たり前だと思っていたけど違うのね。こういうことを話す場はここしかないわ」と話していました。
「しゃべり場」ではヘルパー同士が情報交換するスペースがないことも出され、「自由に使えるヘルパールームを要求してはどうかな」と話が進みます。
組合を結成するきっかけは昨年2月、利用者宅で感染したヘルパーの話を聞く有志の交流会でした。ひとりで悩まずに交流したり、仕事の専門性を磨ける場を作ろうと組合結成にこぎつけ、自治労連にも加入しました。
社協の嘱託でケアヘルパーをする吉岡鎮枝委員長(50)は「愚痴の中に要求があるもの。ヘルパーの多くは不安定な労働条件の上に、話し合う機会がありません。安心して受けられる介護保険にしていくためにも働く人の声をまとめていきたい」と話します。