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県民生活優先を――愛知県議会で林議員が県側ただす

2002年3月2日 「しんぶん赤旗」

 これでは「万博不況」 になりかねない!――1日開かれた愛知県議会本会議一般質問で、県財政問題を取り上げた日本共産党の林信敏県議は、愛知万博、中部国際空港推進に熱中する県政にきびしい批判を突きつけまし た。

 

 

万博、空港事業を中止すれば黒字転換

県試算より2年早く

 危機的財政状況の県は、先に2008年度には財政収支が黒字になるとの「財政中期試算」を示しました。ところが、この試算のとおりでも、2008年度には一般会計の県債(借金)残高は3兆6300億円に。県が財政非常事態宣言を出した1998年度末からでも約1兆円もの増加です。

 08年度の税収1兆1050億円にたいし、公債費(借金の返済費)はその四分の一を占めます。

 新年度予算案で、万博、空港関係は、一般会計で763億円盛り込みました。しかし、612億円は借金。新年度発行県債の2割にもなります。

 林県議は、「中期試算」は小泉「構造改革」を前提にした税収増の見通しに立つもので、絵に描いたモチになると批判。「まさに借金王ではないか。万博、新空港の財政負担を見込んだ結果は、県民が心配したとおりの借金財政になる」とただしました。

 林県議は「大開発で景気回復、税収増はもはや神話。ハノーバー万博は大赤字。北九州博覧会も赤字。愛知は“万博不況
”になりかねない」と指摘。“県民生活に目を向けよ。万博やっている場合か”などの県民の声に応えよと迫り、万博、空港の事業費を除いた場合の財政見通しを求めました。

 林県議は、黒字転換は、08年度とした「財政中期試算」より(2年)早い、06年になるはずとただしましたが、県側は、「財政中期試算」は、万博、空港をきちんとやった上での見通しだとして、答弁をさけました。


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