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【05.09.30】万博閉幕にあたって
岩中正巳日本共産党県委員長が談話を発表
9月30日「しんぶん赤旗」
日本共産党愛知県委員会は27日、「2005年日本国際博覧会(愛知万博)の閉幕にあたって」とする岩中正巳委員長の談話を発表しました。
談話は、日本共産党が多くの県民と共同し、「海上の森」の破壊計画や巨大イベント構想を撤回させたこと、開幕後も博覧会協会や愛知県と交渉し、暑さ対策や県立大学夜間学生の帰宅ルート確保、周辺の環境対策などの改善を実現してきたことを紹介。
そのうえで「今回の愛知万博が『環境万博』にふさわしく、万博の理念にたった博覧会になったかどうかは、プラス面、マイナス面を県民とともに分析し、検証していきます」としています。
さらに、愛知県に対し、「自動車と道路に依存し、環境悪化をすすめている県の環境対策を抜本的に改めることが必要」として、会場跡地の利用計画づくりにあたっては、広く県民から意見を集めるよう提起しています。
「『ポスト万博・空港』の名による、県の新たな浪費型大型開発、大企業優先のまちづくり計画」に触れ。「万博後の県政に求められているのは『くらし・福祉』を第一に、県民と地域の産業が豊かになる県政を取り戻すことです。愛知万博の教訓を生かし、県民とともに取り組む決意です」としています。
◆談話全文は以下の通りです。
2005年日本国際博覧会の閉幕にあたって
2005年9月27日 日本共産党愛知県委員会
9月25日に、愛知万博が閉幕したことをうけて、岩中正巳・日本共産党愛知県委員会委員長が以下の談話を発表しました。
1、9月25日に、185日間開催された2005年日本国際博覧会(愛知万博)が閉幕しました。
愛知万博は、参加目標である1500万人を大きく上回る約2205万人が参加し、財政的にも入場券の販売収入が予定を150億円上回って、博覧会協会もマスコミも大成功としています。
日本共産党は、愛知万博が「環境万博」にふさわしく万博の理念にたった博覧会となるように、県民とともに努力をしてきました。その結果、「海上の森」を大きく破壊する計画を改めさせ、堺屋氏が博覧会協会の最高顧問として環境万博とは無縁な巨大イベントに作り変えようとした時も、日本共産党は多くの県民とともに反対し、構想を撤回させました。万博開催中の7月11日にも、日本共産党は、博覧会協会と愛知県に対し、暑さ対策や県立大学夜間学生の帰宅ルートの確保、周辺の環境対策など万博に係わる諸問題の改善を要請し、改善させてきました。今回の愛知万博が「環境万博」にふさわしく万博の理念にたった博覧会になったかどうかは、プラス面、マイナス面を県民とともに分析し、検証していきます。
少なくとも、愛知県は「環境万博」としてのプラスの面の教訓を生かし、自動車と道路に依存し、環境悪化をすすめている愛知県の環境対策を抜本的に改めることが必要です。「海上の森」や駐車場は豊かな生態系を復旧させることが必要です。旧青少年公園など跡地の利用計画は、青少年公園時代の施設の復旧や、原則無料だった公園利用のあり方を含め、広く県民から意見を求め、跡地利用計画をまとめるべきです。
1、同時に大きな問題も今後に残されました。トヨタを先頭とした中部財界は、愛知万博を「環境」をテーマとした今後の企業戦略の実験場、宣伝場所としました。そして、県知事や県政「オール与党」とともに、「ポスト万博、空港」の名で、中部国際空港に二本目の滑走路を建設する計画や伊勢湾口道路など高規格の道路計画の加速、利水、治水のどの面からも必要性のない設楽ダム計画など新たな浪費型大型開発や、外資系企業を誘致する「グレーター・ナゴヤ・イニシアチブ(GNI)」「国際交流圏大都市構想」などの大企業優先のまちづくりを計画しています。
愛知県では、万博計画が誘致されて以来、万博を成功させるという名目で、県知事と県政「オール与党」は万博や関連事業に多くの予算をつぎ込む一方で、県民の福祉・暮らしの予算や人員を削減してきました。さらに、県知事と県政「オール与党」は1998年の「愛知県第三次行革大綱」制定以来、大幅に県職員の削減や県施設の統廃合をすすめて、県民サービスの切捨てをすすめる一方で、史上最悪の県債残高(借金)をつくりました。まさに、住民の福祉の増進を図るという自治体の役割を放棄してきたのです。
万博後の県政に求められているのは、「くらし・福祉」を第一に、中小企業を応援する県政に転換し、県民のふところを温かくして、県民と地域の産業が豊かになる県政を取り戻すことです。巨大イベントへの他県・外国からの参加者による外からの一時的な経済効果とその延長では、オリンピック後、地域経済が疲弊した長野県の二の舞になりかねません。
日本共産党は、県民の福祉・くらし・環境を守り、地域経済の活性化をすすめるために、愛知万博の教訓を生かし、県民とともに取り組む決意です。