HOME > 資料集 > 活動と主張(バックナンバー) >

【05.02.06】名古屋松原市政黒書(3) 
日本共産党名古屋市議団事務局長 平子直義

2月6日「愛知民報」

 「元気な名古屋」といわれていますが、本当でしょうか。大垣共立銀行のシンクタンク共立総合研究所の調査レポートは、「“元気な名古屋”という表現は必ずしも実態を表していない」と指摘しています。

◆ポスト万博・空港の本格化=都市再生
 松原市政は市民に対し、「お金がない」と福祉や暮らしの予算を削減してきましたが、財界からの要望には熱心にこたえています。
 トヨタ自動車の幹部が、「産業活性化プラン」策定など名古屋市の政策策定にかかわるようになってきました。名古屋駅周辺を「国際ビジネスの一大拠点の形成」の中心に位置づけ、「万博」や「新空港」につづき、「都市再生」の名で、駅前や中心市街地の高層ビル建設、大型ショッピングセンターの誘致などの再開発を本格化させようとしています。

◆大企業のビルに補助金を投入
 都市再生緊急整備地域は、建築の容積率や建ぺい率の規制が緩和され、金融面や税制上などの優遇措置があり、ここに進出する大企業にとって大きなメリットがあります。
 名古屋駅前は超高層ビル建設のラッシュです。営業純利益1兆円のトヨタ自動車が入居する新豊田・毎日ビル(2006年9月竣工予定)は、トヨタの経営戦略に対応した海外展開の司令塔(海外営業部門)となります。名古屋市、国、県は、これまで同ビルに9億4千万円、名鉄・中電・トヨタなどの大企業による牛島地区市街地再開発のルーセントタワー(総事業費650億円)に11億円を補助してきました。補助金は今後更に増える見込みです。

◆市が90坪21億円の土地購入
 ささしまライブ(中村区平池町)は万博サテライト会場として深夜営業の遊園地造成とイベント、堀川・納屋橋に90坪の土地を21億円で買い上げ屋台村を開設するにぎわいづくり、長者町では民間再開発による高層マンション、栄地区では観覧車つきレジャービルのオープン、栄小公園の一角を利用した開発、市教育館の改築などの中心市街地の拠点再開発計画が目白押しです。千種・鶴舞地域では旧サッポロビール跡地にイオンによる24時間営業の大型ショッピングセンターが大店法に基づく届出の前に建設工事が始まるなど、大資本の勝手放題ともいえる状態です。
 松原市政は、企業誘致と企業優遇策を目玉としていますが、大手ゼネコンに仕事が回る「都市再生」では、地元の中小企業や市民がうるおう地域経済活性化にはつながりません。

◆中小企業に実感のない「元気な名古屋」
 「元気な名古屋」といわれても、中小企業や零細業者などにとっては、全く実感がわかないのが現実でないでしょうか。
 市内の事業所の99%を占める中小企業は文字通り経済の主役・担い手であり、地域経済を支えてきました。しかし、事業所数も従業員数も大幅に減少がつづいています。名古屋市の中小企業向けの官公需発注(名古屋市の物品を買い入れや工事の発注をおこなうこと)は、政令市の中でも神戸に次いで最低クラスです。

◆大型店の進出でさびれる商店街
 松原市政は、大型店の無秩序な進出を許し続けた結果、市内の小売店は大幅に減少し、地域の商店街は衰退の一途をたどっています。この10年間に八百屋・肉屋・魚屋も半減しました。地域の商店や商店街の振興をはかり、歩いて買い物ができ、安心して住み続けられることができるまちづくりが求められています。

◆大型開発に反省なし
 松原市政は、水は余っているのに、徳山ダム建設を推進し、元利合計で600億円もの建設費を負担しようとしています。そのうえ数百億円も経費をかけて導水管敷設工事が必要となります。こんなムダな公共事業について松原市政は、「行政評価」の「A」にランクして推進しています。守山区志段味のヒューマンサイエンス事業も、その破たんが明らかなのに企業誘致に固執し、財政負担をいっそう大きくするものです。

 

▲ このページの先頭にもどる