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【05.01.14】阿久比町 半田市との法定合併協設置に「反対」
示された住民意思 まちづくりを今こそともに考えていく時
1月14日「しんぶん赤旗」
愛知県阿久比町で昨年12月26日、半田市との法定合併協議会設置の是非を問う住民投票が行われ、「反対」が「賛成」を倍以上上回って圧倒。住民は「合併ノー」の強い意思表示をしました。同町の田中邦雄さん(78)からのレポートです。
◆「反対」が71%
「反対、自分のことだからね!」。投票日、「反対」を呼びかける電話に返ってくる声、声、声。一部グループの請求で行われた住民投票でしたが、結果は、「反対」8155票に対し、「賛成」3316票。「反対」が71%で圧勝しました。
ある新聞は、住民投票が「盛り上がりに欠ける」と書きました。“盛り上がりに欠けた”のは、合併への空気でした。町ではいたるところ「反対」の声があふれたのです。
山内和夫元町長らが人脈、企業にもっぱら頼って挑んできた合併協設置請求は、8月の臨時町議会で、保守系2人、企業系(新日鉄)と公明党の4人を除く多数で否決。しかし、続く合併特例法にもとづく有権者の6分の1の署名による請求が成立し、住民投票が行われることになりました。
◆問題点明らかに
合併推進派は(1)このままでは町の財政は赤字必至 (2)阿久比だけ取り残され陸の孤島になる (3)合併は「国策」 (4)合併で240億円の特例債がもらい得チャンス (5)合併協は合併するかしないか協議の場――などと宣伝。「合併しなければ半田の斎場、市民病院も拒否される」などという事実無根の攻撃もありました。
合併協設置に反対する「人にやさしい阿久比町政をつくる会」(略称・やさしい町政)と日本共産党は、8月初めから (1)あなたの声が届く町こそ、本来の自治 (2)町財政は自立してやっていける (3)町の自然、歴史を大切に――と訴え、「合併協は合併前提、合併の是非を問う場ではない」「半田は巨額の借金」「合併は政府の自治体リストラ。国の719兆円の赤字の押し付け。合併は各地で破たん」「住民サービスは逆に切り下げられる」と、問題点を明らかにしてきました。
8月の臨時議会と、9、12月の定例議会での日本共産党議員団(2人)の論戦。7回の全戸ビラ配布や400回を超える街頭宣伝。6種類の手づくりポスターも張り出しました。訴えは住民の関心を呼び、「共産党のビラが一番よく分かる」という声も返ってきました。
竹内啓二町長が「知多5市5町は一つ」という立場で、半田市だけとの合併に否定的で、議会最大会派の親和会も反対で行動しました。
◆住民が主人公
合併協設置拒否が圧勝し、自立した住民本位のまちづくりへ、町政の方向が問われることになりました。
「やさしい町政」の世話人で、日本共産党員の前町長、石川かつらさんは「合併に賛成の人も反対の人も、今度ほど阿久比の町のことを考えたことはありません。いまこそ、まちづくりをともに考えていきましょう」と語ります。