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【04.07.25】トヨタ、万博・空港関連地域での変化
 ―参院選結果からみえてくるもの―

7月25日「愛知民報」

自民 “景気”バネ効かず

 今回の参議院選挙で、自民党は「景気回復」の成果を強調し、新空港、万博による経済効果を売り込みました。しかし、公明党の支援をうけ愛知選挙区で1議席を確保したものの、得票を大幅に後退させました。

 他県に比べ経済指標はいいといわれる愛知ですが、県民に「景気回復」の実感はありません。

 純利益一兆円超の“勝ち組”筆頭トヨタ自動車の本拠地、豊田市。ここの6月定例議会で日本共産党の大村義則市議が同市内の中小零細事業者の納税状況を質問しました。当局の答弁で、資本金1千万円以下の事業者は4600社のうち、7割にあたる3178社が赤字で市民税の法人割を納税できない事態にあることが明らかになりました。

 トヨタ関連下請会社の社長は「これ以上単価を下げられたら廃業しかない」と語ります。下請けや労働者が実感しているのはトヨタのもうけを生み出すコスト削減のしわ寄せです。

 自民党は豊田市内で01年参院選の得票より1万6千票近くも減らしました。

 中部国際空港と愛知万博会場の建設工事が進む常滑市、瀬戸市、長久手町。ここでも自民党は得票を減らしました。いずれも減票率は県平均を超えています。

 今年2月、中部国際空港建設関連工事の経済効果について常滑商工会議所がおこなったアンケート調査では、地元中小企業の多くがメリットを感じていないことが明らかになりました。

 「自民党の賞味期限は切れたわ」という小泉「構造改革」政治のいきずまりは“日本一元気”といわれる愛知でもはっきりあらわれています。

 
今回の比例票
01年参院比例票
減票数
01年を100とした減少率
県合計
743,691
1,015,649
271,958
-26.8%
豊田市
39,433
55,048
15,615
-28.4%
常滑市
6,782
9,575
2,793
-29.2%
瀬戸市
13,423
19,821
6,398
-32.3%
長久手町
4,083
5,835
1,752
-30.0%

 

共産 得票、西三河で伸びる

 日本共産党は選挙区で議席獲得こそならなかったものの得票を増やしている市町村が24自治体ありました。

 なかでもトヨタ本社や系列関連工場が多数存在する西三河地域の衆議院11区、12区、13区では、選挙区では八田が初当選した98年参院選より得票を伸ばしています。

 トヨタでは長時間、過密労働のなかで、過労死や労災など「いつ同じ事態がわが身に」と労働者も家族も不安を感じています。

 会社が1兆円を超す利益を上げる中、労働組合は会社と一体になって3年間賃上げ要求を掲げることなく、選挙では組織内特定候補を強力に推す状況です。

 前参院議員八田ひろ子氏と日本共産党国会議員団は、家族の悲痛な訴えから国会でサービス残業の是正を何度も取り上げ厚生省通達を出させ、実際に残業代金が支払われてきました。

 トヨタ関連企業デンソーの労働者は「サービス残業が是正され、月に2万から3万円、サイフの中があったかい。ひとえに八田さんのおかげで、職場のみんなの中には、八田さんは神様みたいと言う声があるんですよ」と話しています。

 サービス残業是正を機に出退勤時刻を記録するカードリーダーが設置されるなど、改善が進みました。

 トヨタ関連の企業数は2万5〜6千社、その7割が西三河地域に集中しています。日本共産党トヨタ労働者後援会は3年ほど前から豊田市内のトヨタ関連企業や中小企業4千社に日本共産党の経済政策や政策パンフレットなどを持って訪問し話をしてきました。単価の切り下げに苦しんでいる工場の多くの社長から「ヨーロッパ並みの対等平等な関係を築くというのは賛成だ」と聞きました。

 西三河で日本共産党の得票が増えた背景に、住民と一体になった共産党の国会での活動や運動の広がりがありました。

 
今回選挙区票
98年議席獲得時票
票の増減数
県合計
417,587
453,298
-35,711
11区(豊田市、東・西加茂郡)
19,633
15,220
+4,413
12区(岡崎市、西尾市など)
33,753
33,610
+143
13区(碧南市、安城市など)
26,006
25,523
+2,483

 

 

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