ニュース

【4/20愛知民報1面より】南海トラフ巨大地震新想定-愛知県内最大深度7

防災・減災対策さらに

2012年以来

 内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは3月31日、駿河湾から日向灘沖にかけての「南海トラフ」で巨大地震が発生した時の被害想定を新たに公表しました。試算は前回2012年に行われており約13年ぶり。今回の調査では全国で死者29万8000人、全壊・焼失する建物は235万棟にのぼるとしました。
 愛知県の被害想定は、冬の夕方の最大の想定での建物全壊棟数は約40万1000棟。うち「揺れ」による損壊は約24万5000棟、「火災」は約13万7000棟、「津波」は約1500棟です。負傷者数想定は、最大で14万6000人。圧倒的多数の14万2000人が「建物倒壊など」が原因という想定です。

 

建物の耐震化を

 愛知県が2021年3月に策定した「愛知県建築物耐震改修促進計画~あいち建築減災プラン2030」によれば、2018年時点の住宅(戸建、長屋、共同住宅)の耐震化の状況は、居住世帯のある306・9万戸に対し、約275・2万戸に耐震性があると推計され、耐震化率は約90%です。
 市町村では木造住宅の無料耐震診断、耐震改修助成、除却助成の事業が実施されています。名古屋市の耐震改修助成は工事費の5分の4以内で最大165万円です。

 

津波から命守る

 太平洋に面した愛知県は津波の直撃を受けます。市町村では津波浸水警戒区域を示したハザードマップの作成・配布、津波避難ビルの指定や標高看板の設置などが進められています。
 名古屋市港区では「船頭場(せんどば)公園」(同区船頭場4丁目)に標高7㍍の高台「命山」を設置した広場が完成。3月1日に供用開始されました。広場の面積は3400平方㍍、約3400人が避難できます。2014年2月市議会で日本共産党の山口清明市議(当時)が提案していました。
 西尾市では海岸に近い一色、吉良の両地区などに6カ所「津波避難タワー」が完成。共産党市議団が実現に尽力しました。

 

「命山」完成 名古屋市港区船頭場公園

標高7㍍の「命山」が完成した船頭場公園。山の上には防災ベンチや、マンホールトイレの設置場所などが整備されている。平常時は公園として開放=名古屋市港区

 

 

津波避難タワー 

 西尾市の海抜ゼロ㍍地帯に整備された「生田地区津波避難タワー」。市内に6カ所「タワー」がある=西尾市

 

 

県内の地震・津波・負傷者(想定)

 愛知県内の被害想定の特徴は、深刻な津波被害とともに、建物倒壊による負傷者が全体の97%と想定されていることです。震度は7(大規模な建物倒壊や土砂崩れ、ライフラインの停止)から6弱の範囲。約40万1000戸が全壊・消失の可能性があります。
 津波は、最大が田原市で22㍍、到達時間11分です。名古屋市港区、豊橋、西尾、蒲郡、常滑、東海、知多の各市、美浜、南知多の両町が5㍍以上の想定です。

 

各自治体の震度

 

 

建物倒壊・消失・負傷者数県内想定

 

 

津波高(㍍)と到達時間(分)

到達時間は1メートルの津波が地震発生から沿岸に届くまでの最短時間

 

 

愛知のことがよくわかる!愛知民報をご購読ください

定価月400円 1部100円 毎週日曜日発行(第5日曜日は休刊)

 

今週の注目記事

〇新地対艦・地対地 精密誘導弾 【防衛省】三菱重工に323億円で発注

〇関西万博修学旅行は変更せよ 共産党県委員会・県議団が県教育委員会に申し入れ

 

お申し込み

日本共産党愛知県委員会

〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄3-12-25
電話:052-261-3461
ファックス:052-263-9810