愛知県教育委員会が、大阪・関西万博を修学旅行先として検討することを求める文書を各教育事務所長や高校などに送付しました。日本共産党愛知県委員会と県議団は30日、大村秀章県知事と県教育委員長あての要望書を提出し、「子どもたちの安全確保の視点から問題点を検証し、慎重に対応するべきです」と指摘しました。
関西万博をめぐってはガス爆発事故をはじめ、災害時の避難経路が不明など多くの問題点が浮上しています。しかし政府は、「修学旅行や校外学習をあわせて120万人の子どもたちに来てもらう」と目標を立て、文部科学省と都道府県教育委員会を通じて学校への働きかけを強めています。
下奥奈歩県議が、県庁で要望書を県教育委員会の担当者に手渡しました。下奥氏は、万博会場ではバス駐車場から入口まで約1㌔近い徒歩移動が強いられ、休憩所は小学生優先で中学生の熱中症対策が難しいことなどを指摘。「『命輝く』をテーマに掲げる万博が、子どもたちに命の危険を生じさせる事態になりかねません」と述べました。
その上で、「わが党は、関西万博の開催そのものの中止を求めていますが、会場の安全性に対する懸念や不安が解消されないなかで、修学旅行先として推奨すべきではありません」と、子どもの安全第一で慎重に対応することを重ねて求めました。
県教育委員会の担当者は、「小中学校の修学旅行先については、各学校がそれぞれの判断で決めている」と現場丸投げの無責任な姿勢でした。
(6月1日 しんぶん赤旗)