ニュース

愛知県は全生徒救え 美容専門学校閉校 下奥県議が要請

生徒を一人も残さず救済するよう求める(中央から右へ)下奥県議と川渕北名古屋市議=22日、愛知県議会議事堂

 愛知県の愛知中央美容専門学校(小牧市)が突然閉校を発表した問題で、日本共産党の下奥奈歩県議は22日、学校を認可した愛知県の責務として生徒を一人も残すことなく救済するよう緊急に要請しました。川渕康宏・党北名古屋市議も参加し、県私学振興室に要請書を手渡しました。

 昼間・通信制合わせて86人が学ぶ同校は、9日に開いた保護者説明会で突然、5月末で閉校することを発表しました。原因は、同校を運営する「愛知中央美容協同組合」に出資する企業2社が経営破たんし、資金繰りが悪化したとしています。

 4月に入学した生徒は、入学金や授業料などで支払った95万円のうち5万円しか返金できないと学校は説明しています。学校は生徒に対し、新たな受け入れ先を案内するだけで、生徒自身が授業や仕事の合間を縫って自ら探しています。

 この事態に大村秀章知事も会見で「やれることはやっていきたい」と発言しています。

 要請は、すべての生徒が新たな経済的負担なしに学びを継続できるよう支援すること、県として総合的な相談窓口を設置し対応することの2点と、入学金、授業料の全額返還を行うよう学校に強く指導するよう求めました。

 下奥氏は「美容師になる夢をあきらめた若者もいる。時間をかけてでも生徒に全額返還するよう指導してほしい。金銭、時間、精神のあらゆる面で生徒が追い詰められている。しっかりとした対応を」と話しました。

 川渕氏は、生徒の家族から相談を受けたことを紹介。「報道で初めて知った生徒や家族もいる。あまりにもむちゃくちゃだ。まず何よりも情報が必要。やれることは全部やってほしい」と語りました。

 県職員は「年度途中の閉校は前例がない。まず現行制度のなかでやれることをやっていきたい」と答えました。

(5月25日 しんぶん赤旗)