生活保護費減額処分(2013~15年)は憲法25条や生活保護法に違反するとして、愛知県内の生活保護受給者13人が国や名古屋市など3市を相手取り、減額処分取り消しなどを求めた「新生存権裁判」(いのちのとりで裁判)の控訴審が14日、名古屋高裁(長谷川恭弘裁判長)で結審しました。判決は11月30日。
昨年6月の名古屋地裁判決では原告側が敗訴。全国29都道府県で同様の訴訟があり、21地裁判決のうち11地裁で原告が勝利しています。高裁判決は今年4月の大阪高裁(原告敗訴)に続き、2例目になります。
原告の澤村彰さん(56)が陳述に立ち、基準引き下げ以降は1日1食、シャワー週1回、外出せず、エアコンも使えない生活を語り、どれだけ支出を節約しても、「自ら健康の保持及び増進」に努めることができないと訴え。「裁判官には生きている私たち一人ひとりの生活を見ていただき、血の通った判決をだしてほしい」と涙ながらに話しました。
尾藤廣喜弁護士は、厚生労働省が「物価偽装」ともとれる計算方法で物価の下落率を大きくしたことは、「憲法25条に基づく生活保護法に反した恥ずべき行為」として、「違法性を明らかにし、取り消すのは司法しかない」と話しました。
報告集会で、原告弁護団は「国側は同じ主張を繰り返すばかりで反論がなく中身がない。制度を使う人にとって本当に必要なものになっているか。いい判決を書かせる運動をしよう」と強調。裁判勝利へ毎月25日に宣伝することを確認しました。
( 7月19日 しんぶん赤旗)