福島原発事故によって福島県から愛知・岐阜・静岡の3県に避難している41世帯126人が国と東京電力に損害賠償を求める訴訟が11日、名古屋高裁(松村徹裁判長)で結審しました。判決は11月22日。裁判所前で行われた判決前集会には200人が参加し、「被害者切り捨て許さない」「原発事故は終わってない」とコールしました。
原告のうち、この訴訟を人権問題としてとらえた7世帯23人が「だまっちゃおれん!原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜原告団」(岡本早苗団長)を結成し、控訴審から二つの原告団と弁護団が一つの裁判をたたかっています。
「だまっちゃおれん」原告団の岡本早苗団長が最後の陳述に立ち、「私たちがどれほど苦しい思いを抱え生きてきたか、何度陳述しても全てを伝えきることはできません。二度と私のような原発事故被害者をうんではなりません。司法の本来あるべき役割を果たし、裁判官としての正義をもって判断してください」と強く述べました。
伊藤勤也弁護士は原発事故の国の責任論に触れ、「国は原子力発電事業を先導した『第一人者』だ」として、「事故について最終的に責任を負うべきは国であり、口実をつけて責任逃れすることは許されない」と断じました。
報告集会で岡本団長は「署名を積み上げ、高裁に届けよう。全国一つになってたたかい、世論を動かす運動をがんばろう」と呼びかけました。最後に原告、弁護団、支援者で「だまっちゃおれん」と腕をあげ、裁判勝利へ意思統一しました。
( 7月14日 しんぶん赤旗)