名古屋市主催の名古屋城天守閣木造化をめぐる市民討論会(3日)で障害者への差別発言が相次いだ問題で、日本共産党の田口一登市議は23日の市議会本会議で、河村たかし市長の認識をただしました。
討論会では、天守閣上層階までエレベーターの設置を求めた車いす利用の参加者に対し、「ずうずうしい」などの発言や身体的ハンディキャップへの差別発言が続出しました。しかい市側は制止せず、河村市長は閉会あいさつで「熱いトークもあり、なかなかよかった」と発言しました。
田口議員は「市長のあいさつは、障害者への差別発言を容認したことになるのではないか」と質問。市長は「差別発言を容認するものではない」と釈明しました。
田口議員が、一連の差別発言は障害者差別解消法や市条例の「差別」に当たるものだと強調し、市長が5日の記者会見で差別にあたるかどうかの判断をさけた問題も追及すると、市長は「障害者差別である」と認めました。
討論会の評価について田口議員は「差別を助長し、人権侵害という重大な汚点を残した」と厳しく批判。市長は「差別発言が出たのは大変残念。しっかり検証し再発防止に取り組む」と述べ、評価については回答を避けました。
事態を招いた原因について田口議員は「障害者への配慮よりも『本物復元』を優先する市長の態度が一因となったのでは」と、市長をただしました。
市長は質問には答えず、「合理的配慮には全力をあげて考えている。木造復元と希望者全員が天守閣最上階に昇れるようにするのは両立しない」などと自説を展開。田口議員は「市長は所信表明で人権施策の推進を表明した。しっかり検証するとともに、市長は自ら謙虚に省みてほしい」と猛省を求めました。
(6月30日しんぶん赤旗)