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解雇無効の判決を 愛知 アクリル争議支援総会

「団結してがんばろう」と意思統一する組合員や争議支援者ら=27日、名古屋市熱田区

 全国一般・愛知アクリル争議支援共闘会議は27日、名古屋市内で第4回総会・決起集会を開き、「早急に解雇無効と公正な判決を求める」決議を採択し、争議勝利へ意思統一しました。オンラインでつなぎ、原告や支援者ら約40人が参加。日本共産党の本村伸子衆院議員が連帯あいさつしました。

 争議は、多国籍企業ダウ・ケミカル(米国ミシガン州)の100%子会社、日本アクリル化学が2020年9月に名古屋工場(港区)を閉鎖し、全労連・全国一般の組合員だけを解雇。会社は、組合事務所の電気・水道を止め、電話回線を切断、組合の看板もエアコンも撤去しています。

組合員10人は、東京都労働委員会に不当労働行為救済を申し立て(11月)、不当解雇の撤回と損害賠償を求めて、名古屋地裁に提訴(12月)。今年2月に地裁が「解雇は有効」とする不当判決をだし。原告10人は控訴。8月23日に名古屋高裁で第1回口頭弁論が行われます。

 総会で西尾美沙子共同代表(愛労連議長)は「団体交渉で積み上げた約1億2千万円の解決金が判決直前に一方的に撤回され、その後の団交は拒否し続けている。解雇された労働者は生活保障もないまま2年8カ月が経過した。争議の全面解決、裁判勝利にむけて、一層の支援を呼びかける」と話しました。

 本村氏は「国会では強きを助け、弱きをくじく法律が次々に進められている。アクリル争議の根底には、政治と巨大企業が一緒になった労働組合つぶしがある。働く人をないがしろにする政治を変え、巨大企業の横暴を許さず、必ず勝利するために心より連帯したい」と語りました。

 決起集会では、鷲見賢一郎弁護士が「名古屋高裁と都労委のたたかいの現状と展望」と題して講演。「労働組合に何も伝えないまま工場閉鎖は絶対にあってはならない」と指摘し、「世論と運動で、会社の横暴を伝えていくことが勝利への力になる。名古屋高裁や都労委で、地裁判決はおかしい、もう一度考え直すべきだと訴えていきたい」と話しました。

 東中貢共同代表は「グローバル企業の横暴を許せば、日本の産業衰退を招く。不当労働行為であり、憲法違反だと強く訴え、次の総会では勝利報告をしたい」と強調。参加者は勝利へ向けて「団結してがんばろう!」と三唱しました。

(5月31日 しんぶん赤旗)