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「保育士さん増を」170人賛同 名古屋駅前 配置基準見直しへ宣伝

「子どもたちにもう1人保育士を」とアピールし、シールアンケートに取り組む保育士ら=29日、名古屋駅前

 愛知県の保育士、保護者らでつくる「子どもたちにもう1人保育士を!」実行委員会は28日、名古屋駅前で宣伝し、「保育士の配置基準見直しで誰もが安心できる保育にしていこう」と呼びかけました。

100人を超える保育士、保護者、子どもたちがマイクリレー、シール投票、ビラ配布などしました。

アンケートには1時間で170人が回答。国の配置基準を「知っている」74人、「知らなかった」96人。改善の必要性について、ほぼ全員が「思う」と答えました。

国の配置基準は、0歳児3人、1~2歳児6人、3歳児20人、4~5歳児30人に、それぞれ1人になっています。4・5歳児の配置基準は75年間変わっていません。

アンケートに応じた会社員(31)は「一人で動き回る子どもを何十人も見きれないですよね。何かあっても気づけないと思う。保育士さんも大変だし、預ける側としては不安。もっと保育士さん増やしてほしいです」。妻が保育士の男性(61)は「人が足りてない、体力的、精神的に大変で、若い人が続けられないと聞いている。妻も朝早く、夜遅い。制度の問題。すぐに変えてほしい」と答えました。

マイクリレーで、4歳の息子を預ける川口遥野さんは「子どもも親も安心できる保育環境をつくるためにも、大好きな先生たちが働き続けられる環境を作るためにも、『もう1人保育士を』は切実な願いです。自分に寄りそってもらえる経験を持った子どもたちが増えれば、社会を優しくする一歩になります」と話しました。

 主任保育士の加藤圭さんは「配置基準は現場の保育実態に見合わず、そのしわ寄せが保育士の過重労働につながっています。配置基準改善で心にゆとりを持ち、笑顔で働き続けられる環境があれば、子どもの豊かな育ち、保護者の安心につながります。『子どもたちにもう1保育士を!』の声を全国に広げたい」。園長の小池真理子さんは「保育士を基準以上に配置すれば、人件費は園の持ち出しで赤字になります。元気に働いてほしい、でも経営もしなきゃいけない。もう限界です。配置基準を見直してください」と訴えました。

(2月1日 しんぶん赤旗)