県内全54自治体を訪問し、社会保障の拡充を求める愛知自治体キャラバンは9日、名古屋市と懇談しました。愛知県社会保障推進協議会(社保協)、愛労連などでつくる実行委員会の主催。実行委員会代表の森谷光夫・愛知社保協議長ら約30人が参加。日本共産党のえがみ博之、さいとう愛子、岡田ゆき子の各市議が同席しました。
キャラバンは1980年から始まり今回で43回目。今年は▽安心できる介護保障▽国民健康保険の改善▽生活保護・生活困窮者支援の充実▽福祉医療制度の充実―などを求めています。
森谷代表は「物価高のなか賃金が上がらず、年金は減少している。国民生活を守るためにも社会保障の充実が必要。市として国に社会保障拡充を求めるとともに独自に福祉向上に努めてほしい」と訴えました。
懇談は事前に施策実施状況を聞くアンケートを実施し、文書回答にもとづいておこなわれました。
「県内でもっとも高い介護保険料基準額(6642円)の引き下げ」の問題で、市は「20年度末までの準備基金約66億円を全額取り崩し、総額を抑制した。21年度に新たに積み立てた約16億円も取り崩す方針」と答えました。参加者は、「剰余金を活用した保険料抑制や、現在15段階の保険料段階の多段階化で応能負担の強化を」と強く要求しました。
名古屋市が2028年廃止を示している市営特別養護老人ホーム「厚生院」(名東区)について、参加者は「高齢者の身元保証の仕事をやっている。名東区には特養が少なく、厚生院は必要。縮小・廃止の方針は一方的であり、転換するべき」と抗議しました。
加齢性難聴者を対象にした補聴器購入助成制度の導入を求める要求に、市側は「国の動向を注視する」との回答にとどまりました。
障害者控除認定書の発行について、「要介護1以上認定者が約7万8000人いるのに、発行数が1051枚にとどまっており県内最低水準。ただちに自動送付の実施を」と要望。市は窓口での申請に固執しました。
(11月12日 しんぶん赤旗)