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安保法制違憲訴訟 勇気ある違憲判決を 名古屋地裁で結審

 集団的自衛権の行使を容認した安保法制は違憲であり、平和的生存権を侵害されたとして東海地方の221人が国に1人当たり10万円の損害賠償を求めた「安保法制違憲訴訟」が28日、名古屋地裁(岩井直幸裁判長)で結審しました。約100席ある傍聴席は満席になりました。

 沖縄県名護市出身の具志堅邦子さん(67)が最終弁論し、「安保法制は沖縄の長年の努力と希望を根底から踏みにじるもの。日本国憲法の命ともいえる平和主義は、今こそ人類の希望として輝き続けてほしい。憲法の最後の守り手の自覚をもって、強権に忖度(そんたく)することなく勇気ある違憲判決を宣告してください」と話しました。

 弁護団は「自衛隊と米軍の一体化を通じて、憲法9条に反して自衛隊が武力の行使に至り、戦争へとつながる危険性を著しく高める」と指摘。「裁判所が憲法判断を回避すれば、違憲状態が拡大、深化し、集団的自衛権の名のもとに、日本を他国のための戦争に巻き込むことになる。憲法の平和主義を堅持するうえで違憲判断は不可欠。裁判官一人ひとりの英断を」と述べました。

 全国22地裁で起こされた訴訟の一つ。これまでの地裁・高裁判決はいずれも憲法判断を避け、原告側が敗訴。最後の地裁判決となる名古屋地裁は来年3月24日(金)です。

(10月30日 しんぶん赤旗)