統一地方選まで半年に迫るなか、日本共産党の志位和夫委員長は19日、愛知県豊橋市の豊橋駅前で街頭演説し、全国遊説をスタートさせました。志位氏は、統一地方選では全都道府県で議席を持つことが大目標だとした上で、「愛知県は2015年に県議会で複数議席を獲得しましたが、19年に議席を失いました。共産党の議席があるとないとでは天地の差です。県民の願いを県議会に届ける命綱の議席を取り戻しましょう」と訴えました。
全国唯一の県議空白克服をめざす、しもおく奈歩前県議が決意を表明。志位氏は、しもおく氏が県内の全ての高校生に性被害相談窓口カードを配るよう提案し実現させたこと、女子高校生からも「救われた」との声が寄せられたことを紹介し、必勝を呼びかけました。共産党の議席の値打ちを熱く語る志位氏の演説の各所で、街頭から大きな拍手が起こりました。
国政問題はどうなっているかと問いかけた志位氏は、「政治の潮目が大きく変わっています」と述べ、岸田政権があらゆる分野で行き詰まる一方で、「政治を変えよう」という新しい国民的な運動が起こっていると指摘。そうした中で、「共産党が間違った政治と対決、建設的提案で大活躍しています」と強調し、国政について三つの問題をあげました。
第一は、統一協会(世界平和統一家庭連合)と自民党との癒着の問題です。
志位氏は、世論に押され岸田文雄首相が宗教法人法に基づいて統一協会の調査を行うことを指示したことについて、「調査をするまでもなく統一協会の正体は明らかです」と指摘。統一協会はすでに反社会的活動の数々が司法で断罪されているとして、「今速やかにやるべきは解散命令請求です」と訴えました。
その上で、「調査と言うなら、自民党と統一協会のずぶずぶの癒着関係を自ら調査し明らかにすることこそ最優先にやるべきです」と指摘。「被害者救済は重要ですが、岸田首相の姿勢は『これから』のことだけに目を向けさせ、『これまで』の自民党と統一協会との癒着にふたをするというものであり、こういう卑怯(ひきょう)な問題のすり替えを許してはなりません」と批判しました。
志位氏は、岸田首相が「統一協会との関係を断つ」と発言したものの「行動が伴っていない」と指摘。衆院本会議の代表質問で、(1)自民党としての責任をもった調査(2)政権としての調査(3)行政がゆがめられた疑惑の調査(4)安倍晋三元首相の癒着の調査(5)半世紀に及ぶ歴史的癒着の調査―の五つを提起したが、「岸田首相の答弁はことごとく調査に背を向けるというものでした。深刻な癒着の実態にメスを入れることなくして、『関係の断絶』はできません」と厳しく批判しました。
(10月20日 しんぶん赤旗)