介護・障害職場での一人夜勤「ワンオペ」をなくし、労働者と利用者を守ろう8月30日夜、名古屋市で「なくせワンオペ!」シンポジウムが初めて開かれました。
愛知県医労連と福祉保育労東海地本でつくる「なくせワンオペ!プロジェクト」の主催。会場とオンラインで県内外から40人が参加しました。
同プロジェクトは、2020年11月に市内の障害者短期入所施設で一人夜勤中だった30代の男性が倒れ、他の職員が朝出勤するまで発見されず亡くなった事故をきっかけに、「このような事故を二度と起こさないために複数体制を当たり前にしよう」と発足。同僚だった男性が「ワンオペをなくすのは事業所の努力では難しく、制度を変える必要がある。3年に一度の介護報酬改定の議論が来年秋から始まる。勉強を重ね、ワンオペをなくしていこう」と話しました。
篠崎良勝・聖隷クリストファー大学准教授が問題提起し、「ワンオペは、国から現場へのハラスメント(人権侵害)行為に他ならない。政府はICT(情報通信技術)導入で配置基準を緩和したが、人手不足を埋められるのは人しかいない。現場の実態を社会に伝え、連携して取り組んでいこう」と語りました。
現場の労働者がワンオペの実態を報告。介護職場で働く小島誠司さんは「午後5時から翌9時半までの16時間半で、休憩は2時間。40人を1人で受け持つ時間があり、利用者の対応で休憩できないときもある。コールが複数なると、どの利用者を優先するのか判断を迫られ、事故がないことを願うばかり」。障害職場の塚本洋平さんは「午後9時から翌朝6時まで一人体制になる。基礎疾患を持つ人も多く、救急搬送など対応に追われ『もう一人いれば』と思うことが多々ある。低賃金や一人夜勤、ストレスによって辞める人が後を絶たない。利用者の権利と労働者の願いを一体的に引き上げる政策が必要」と語りました。
参加者同士で交流し、「新人が来ても、3~4回同行教育したらすぐワンオペ。経験が浅いなかで判断を求められる」、「労働者を守らなければ、利用者の安全も介護の質も守れない」、「休憩時間も常に気を張っていて休憩できない」など実態が話されました。
福祉保育労東海地本の西田知也書記長が行動提起。11月11日(介護の日)に「介護・障害職場の1人夜勤をなくし、複数体制をあたりまえにしてください」署名を県に提出するため、一人でも多くの仲間を増やし、署名を広げようと呼びかけました。
(9月2日 しんぶん赤旗)