大激戦のまま最終盤を迎えた参院選(10日投票)で必ず日本共産党の勝利を勝ち取ろうと、志位和夫委員長は8日、神戸市、大阪市、京都市、名古屋市を駆け巡り、「比例は共産党」と広げに広げ、「比例候補5人の全員勝利に、お力をお貸しください」と訴えました。「大軍拡でなく、外交で平和を」「物価高騰から暮らしを守る」「希望ある未来」という「三つの願いを日本共産党に託してください」と力を込めると、各地で詰めかけた聴衆から盛大な拍手とともに、「いいぞ」「がんばれ」の声が湧き起こりました。
志位氏は名古屋市での演説の冒頭、安倍晋三元首相が奈良市内で演説中に銃撃され、亡くなったことについて、「心からのお悔やみを申し上げたいと思います。安倍さんと私とは、政治的立場は異にしておりましたが、同じ年に生まれて、当選も同期です。同時代をともに生きた者として、たいへん悲しく、さびしい思いです」と述べました。
そのうえで「テロによって言論を封殺することは絶対に許してはなりません。ましてや、民主主義にとって最も大事な選挙のさなかにこのような蛮行を行うことについて、心の底から糾弾をしたいと思います。そして、言論を暴力で断ち切るようなテロのない社会にするために力を尽くすことを申し上げたいと思います」と表明しました。
志位氏は最終盤にあたって、「国民のみなさんの三つの切実な願いを日本共産党に託してほしい」と訴えました。
大軍拡でなく外交で平和を
第一は「大軍拡でなく、外交で平和を」という願いです。
志位氏は、危機に乗じた軍拡の大合唱が起きるなか、「軍事対軍事」の悪循環に陥ることが一番危険な道だと指摘し、平和と暮らしを押しつぶす大軍拡を批判。日本共産党が提唱する9条を生かした外交で東アジアに平和を創出する「外交ビジョン」を力説し、「世界に誇れる憲法9条を守り生かそう―この平和の願いを、党をつくって100年、『反戦平和』を貫いてきた日本共産党への一票に託してください」と訴えました。
物価高騰から暮らしを守る
第二は「物価高騰から暮らしを守る」という願いです。
志位氏は、物価高騰から暮らしを守るためには「二つの大きなカギ」があると指摘。
一つは、消費税を5%に減税しインボイスを中止することです。志位氏は、消費税が「社会保障の財源」ではなく、大企業と富裕層の減税の穴埋めに使われてきた実態を告発し、「富裕層・大企業に負担してもらって、消費税5%への減税をみんなで力を合わせてやろうではないですか」と力を込めました。
もう一つは、政治の責任で賃金を上げることです。大企業の内部留保への時限的課税で得た税収10兆円を使って、最低賃金を1500円に引き上げると強調し、「日本共産党の躍進で賃金が上がる国をつくりましょう」と呼びかけました。
希望ある未来への願い
第三は、希望ある未来への願いです。
志位氏は、戦前・戦後の100年間を一つの名前で通している政党は日本共産党だけだと強調。戦前の暗い時代に共産党以外の政党が「大政翼賛会」に合流し、侵略戦争を推進するなか、命がけで「反戦平和」「国民主権」を貫いてきた唯一の政党が日本共産党だと語りました。
そのうえで、戦前のような平和と民主主義を壊す「翼賛政治」の危機を感じると指摘し、「翼賛政治」の“先兵”を務めているのが維新の会だと強く批判。「共産党の頑張りどころです。100年の歴史に立って、平和と民主主義を壊す逆流に対し正面から立ち向かい、打ち破り、命・暮らし・平和を守り抜きます」と表明し、「日本共産党を伸ばせば必ず政治は変わります。安心して希望を持って生きることができる未来を選択しましょう」と呼びかけると、大きな拍手と声援が湧き起こりました。
演説に拍手を送っていた女性(71)=神戸市=は「私たちの世代が子どもたちのためにできることは、戦争のない平和な未来を残すこと」と語り、「そのためにも共産党のいうように憲法9条を守らなきゃいけない」と話しました。大阪で演説を聞いた女性(45)は「不安なことが多いなかで、改めて平和じゃなきゃだめだと思う。平和を本当に守ってくれるのは共産党だと感じた」と語りました。
◆名古屋 すやま候補
志位氏は「愛知選挙区(改選数4)の、すやま初美さんは大激戦の当落線上のたたかいです。みなさんの代表として今度こそ押し上げてください」と訴えました。
すやま候補は、どんな境遇に生まれても誰もが尊厳を持って、自分らしく生きられるジェンダー平等社会をめざすと力説。「私たちが本来持っている能力をのびのびと発揮できる社会にするために、性暴力を根絶し、ハラスメントのない社会をつくる。選択的夫婦別姓を実現し、LGBTQの差別をなくしていく」と訴えました。
(7月9日 しんぶん赤旗)