愛知県医療介護福祉労働組合連合会(愛知県医労連)は25日、厚生労働省に対し、「安全・安心の医療・介護の実現のために、すべてのケア労働者に大幅賃上げを求める」緊急要請をオンラインで行いました。昨年12月からこの日までに集まったネット署名3万8243人分を提出しました。
県医労連役員や看護師、介護職員ら9人が参加。Zoomで厚労省や各会場とつなぎ、北海道医労連や日本共産党の倉林明子参院議員、本村伸子衆院議員らが同席しました。
矢野彩子書記長は、2月から始まった政府の賃上げ制度では対象が限定され、現場の分断を招いていると指摘。「職種や職場で限定せず、すべてのケア労働者の処遇改善を行う」「賃金を月額4万円以上、時給250円以上引き上げる」の2点を要請し、「命を預かる社会的な責任と労働の内容に見合う水準へ抜本的に引き上げるべきだ」と訴えました。
現場の労働者は「補助金の対象者が限定され、金額が不十分。救急搬送件数で線引きされているので、コロナを受け入れていても対象となっていない病院が多数ある。今回の4000円賃上げは1回の夜勤手当にも満たない、1桁足りない」「非常時だけでなく日常からの人員不足を解消するために、診療報酬の見直しが必要」などと改善を求めました。
厚労省職員は「現場の意見を取り入れ施策につなげたい」と答えるにとどまりました。
倉林氏は「医療・介護・福祉の労働者の賃金引き上げは、コロナ対策だけでなく、現場で働き続ける意欲を保っていくことにもつながっていくと思う」。本村氏は「コロナ禍で奮闘している方々が理不尽な線引きで賃上げにならない。私たちの命を守る基盤が崩壊してしまう危機にある。すべてのケア労働者の賃上げを」と語りました。
(4月27日 しんぶん赤旗)