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希望つなぐ たけだ議員の活動 ①

災害状況などを聞く、たけだ議員(左)=2019年10月13日、長野市

 今夏の参院選で日本共産党5人の比例候補の一人として2期目に挑む、たけだ良介議員(42)。「国民が主人公の政治の実現」を信条に東海・北陸信越9県を駆けまわり、現場の声で政治を動かし希望をつなげてきました。5年半の活動を9回連載で紹介します。

■ 見る間に冠水

 たけだ議員の心に強く残っているのは、千曲川の堤防が決壊し甚大な被害をもたらした台風19号災害です。

 列島各地で観測史上最高となる記録的大雨が降っていた2019年10月12日夜。長野市の自宅にいた、たけだ議員は、野々村博美・党市議団長から電話を受けます。「大雨の影響で豊野・長沼地域では浸水被害が発生する可能性が高い。とにかく現地に一緒に行きましょう」

 翌朝一番に駆け付けた、たけだ議員。前日の雨が収まり晴れ間もみえ、避難所からいったん自宅に戻る人の姿も。しかしその後、水位が上昇していた千曲川の堤防が決壊。午前6時半ころ、豊野地区で党県議や市議と合流した直後、濁流が目の前に押し寄せ、何台もの車が流されてきます。

 見る間に道路は冠水。豊野駅前のロータリーには命からがら逃れてきた住民が。「家に妻が一人残っている」「首まで漬かった高齢夫婦が取り残されている」など必死の訴えが続きます。

 党議員団は警察や消防と連絡を取り合い、数十人の市民と協力して、市の防水倉庫から2隻のボートを運び込みます。地域の人や警察官がボートに乗り込み、ようやく高齢の夫妻など数人を救助。ずぶ濡れの被災者に、たけだ議員は持参していた着替え用の肌着を渡し、衰弱した高齢者を駅の二階まで背負って運び上げました。

 午後は2つの避難所を訪問し、住民から話を聞き、トイレの増設や医療スタッフの派遣、マスクと消毒薬の配備を求め、マスク配布などがすぐに改善され、保健師の巡回が実現しました。

 その後も、たけだ議員は党国会議員団として何度も調査。地方議員と連携し、避難所への段ボールベッドの設置や温かい食事の提供、災害ゴミの過度な分別押し付けをやめさせ、被災者の願いに沿った支援を実現しました。

 地域の党組織はボランティアの拠点をつくり、浸水した家屋から土砂や壊れた家電・家具、水を吸った畳などを搬出、炊き出し、草の根のネットワークで被災者を支援しました。

■ 「畑が全滅だ」

 信州リンゴ発祥地ともいわれる長沼地区では農家も深刻な被害を受けました。果実は泥水に漬かり「畑が全滅だ」との声も。畑に流れ込んだ大量の泥や災害廃棄物の撤去、壊れた農具の復旧が重荷に。

 リンゴ農家出身の、たけだ議員。収穫できなかったリンゴや箱ごと泥水に漬かった出荷前のリンゴなど、胸がつぶれるような思いで被害の実態を聞き、離農する人がでないよう行政に働きかけます。

 11月20日の災害対策特別委員会で、出荷や農具搬送に欠かせない軽トラック再購入費用について、国が4分の3を補助する「グループ補助金」の対象になることを明らかにします。

 12月4日の同委員会では、果樹が衰弱しないように生産者組合が先行して実施した畑の泥出し作業も、市町村やJAの災害復旧事業と同様に国の補助対象になることを政府に認めさせました。

 80㌃ほどの畑が泥で埋まった農家(65)は、「ボランティアなどの手を借りてやっと泥出しをし、またリンゴを収穫することができた。凍害で出荷量が減少するなど大変なことが続いているが、この地でリンゴを作り続けていきたい」。

(次回は19日付の予定)

(1月15日 しんぶん赤旗)