愛労連(愛知県労働組合総連合)と名古屋ふれあいユニオン、東海労働弁護団の3団体は10日、大村秀章知事に対し、県労働委員会委員の不当任命(11月30日)に抗議し、公平中立な任命を求める要請を行いました。愛知県労働局の橋本礼子局長らが応対しました。
県労働委員会は公益・労働者・使用者のそれぞれ7人(計21人)の委員で構成。労働委員は全員が「連合系」組合から選任され、6人が再任でした。中央と11都道府県では非連合の委員が選任されています。
愛労連の西尾美沙子議長、ふれあいユニオンの鶴丸周一郎委員長ら15人が参加。西尾氏らは「組織の大小や系統・潮流にとらわれることなく、委員を選任するのが労働組合法の趣旨。『連合系』以外の労働者・労働組合が救済申し立てを躊躇(ちゅうちょ)する事態も生まれかねない。労働委員会の機能をそこなう不当任命に抗議し、撤回を求める」と訴えました。
不当労働行為を受けている当事者も参加し、「第一交通による組合潰しを愛労委は無視したが、最高裁や中労委が覆した。誤った判断を行った委員の再任も多く、選任基準を明らかにするべき」、「委員自身から批判が出ているのに再任ばかりで改善が見られない。労働者を救済する気があるのか疑問」、「労働法に精通した弁護士や学者が委員にいないのは問題」など抗議の声をあげました。
橋本局長は「選任は総合的に判断したものであり、覆す考えはない」と冷たい対応でした。
参加者は、抗議行動に先立って、県庁前で「不当任命」に抗議する街頭宣伝に取り組み、「知事は、頼りにされる労働委員会を取り戻すための責任を果たせ」と訴え、官庁街に登庁する職員らにチラシを配布しました。
(12月11日 しんぶん赤旗)