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愛知県警の高江派遣は違法 勝訴判決の報告集会

「高裁判決を力に連帯してがんばろう」と呼びかける山城氏=14日、名古屋市中区

 沖縄高江への愛知県警機動隊派遣を違法だと認めた名古屋高裁逆転勝訴判決の報告集会が14日、名古屋市中区で開かれました。原告、支援者、弁護士ら100人以上が参加しました。会場は勝訴の喜びにあふれ、「高裁判決を力に沖縄と連帯し、最高裁をたたかおう」と熱気に包まれました。

 愛知県民193人が大村秀章知事を相手取り、派遣費用を当時の県警本部長に賠償請求するよう求めた住民訴訟で、2020年3月に名古屋地裁で敗訴。21年10月7日に名古屋高裁が「公安委員会の承認なしに県警本部長の専決により派遣を決定したことは違法」とする判決を出しました。県は同21日に判決を不服として、最高裁に上告しています。

 名護市出身で原告代表の具志堅邦子さんが報告に立ち、「逆転勝利したぞ」と声をあげると大きな拍手と歓声があがりました。具志堅さんは、現地での暴力的な排除など行きすぎた警察活動の違法性も明らかにされたと指摘。そのうえで「ヘリパッドができたいま、騒音がいっそう増し、住民の健康や『やんばる』の自然は脅かされている。連帯こそが問題解決のカギ。引き続き力を貸してほしい」と呼びかけました。

 大脇雅子団長は、機動隊派遣には公安委員会の承認がいるにも関わらず、機動隊を派遣した6都府県のうち、愛知だけが県警本部長の専決で決定したと指摘し、「控訴審では、この違法性と公安委員会の空洞化に焦点を当てた。警察が国家警察化しつつあるいま、この判決の重みは非常に大きなものになった」と強調。原告団が「私の怒り」を合言葉に現地に連帯して訴え続けてきたことが裁判官の心に響いたのではないかとのべ、「危機的状況にある辺野古の海を守り、日米地位協定のたたかいを進めるための新たな出発点にしよう」と呼びかけました。

 長谷川一裕事務局長は、判決の意義について「機動隊による弾圧事件の背景には、政府官邸の意思決定があり、強権的な姿勢を白日のもとに晒(さら)すことができた」と述べ、「しかし、解明は十分にされておらず、最高裁の審理のなかで、権力中枢による違法な住民弾圧があったことを明らかにしたい」と話しました。

 山城博治・沖縄平和運動センター前議長が講演し、「最高裁の判断にかかわらず、判決は決して色あせない意義と影響力を持ち続ける。全国や沖縄でたたかう仲間たちが勇気づけられた。歴史的、画期的な判決であり、各方面に大きな影響を与える」と強調。「辺野古でも強制排除が予想されるが、名古屋高裁の判決の意義が政府の暴走を止める力になる。この判決を引き出した愛知の皆さんには言葉にできないほど感謝している。高裁判決を力に、現地と全国が連帯してがんばろう」と語りました。

(11月19日 しんぶん赤旗)