「介護の日」の11日、福祉保育労東海地本と県医療介護福祉労働組合連合会が愛知県庁で記者会見し、愛知県内の障害・介護職場で9割超が「一人夜勤」だとするアンケート結果を発表しました。「誰もが犠牲にならない働き方を」と訴えました。
アンケートには、県内を中心に、障害・介護グループホーム(GH)、特養、老健、入所施設で働く207人が回答しました。
「一人夜勤」をしているかの問いでは、「すべての時間で1人」(56.6%)、「一部時間帯が1人」(37.4%)の回答を合わせると、94%が一人夜勤の状況となりました。とくに介護のGHは8割が「すべての時間が1人」でした。
夜勤回数と勤務時間では、月の夜勤回数が平均6.1回、最高17回。拘束時間は平均17時間、最高72時間でした。夜勤回数と拘束時間が多いのは障害分野のGHで「職場が家」みたいな状況になっています。かつて月27回夜勤した人がいました。
福保労の西田和也書記長は、一人夜勤中に複数の対応に迫られ、「イライラがたまり、利用者をたたきそうになった」など事故に至る可能性があった事例も紹介。「職員は肉体的・精神的に追い詰められている。職員も利用者もいのちが守られる配置基準が必要です」と強調しました。名古屋市内の障害者施設では福保労の組合員が一人夜勤中に倒れて亡くなり、
朝まで気づかれなかった事例がありました。同僚だった男性(39)が会見で、「利用者に対応は難しく、不安な思いをさせた。一人で動けない利用者もおり、一人夜勤はスタッフだけでなく、利用者の生きる権利まで侵害する」と述べました。
障害者GH主任の塚本洋平さん(33)は「支援の質の向上や職員の成長のためにも、複数配置ができるよう補助してほしい」、介護職の男性(49)は「一人で複数の要望にこたえきれない。最低でも2人配置してほしい」と話しました。
同席した県医労連の矢野彩子書記長は「『一人夜勤』は施設のせいでなく、国の配置基準や報酬の問題にある。現在の基準で人員配置すれば、施設は赤字になる。過度な負担から離職につながり、人手不足も解消されない。職員・利用者の命を守るためにも深夜帯の複数配置を求めます」と述べました。
福保労と県医労連は会見後、愛労連とともに県に申し入れ、国に配置基準の見直しを求めると同時に、実現まで独自補助をするよう要望しました。
(11月14日 しんぶん赤旗)